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475 目を開け 分かるか
「パキトポーク、アイーナ。やっと姿を見せてくれたのね」
レイチェルの落ち着いた声がする。
「大好きなパキトポーク!」
チョットマの弾むような声。
いつの間にか、チョットマはヘッダーを外していた。
イコマのヘッダーはアヤが外してくれた。
アヤももうヘッダーを被ってはいない。
その目に涙が光っていた。
遠くからイッジが駆けてくる。
パリサイドが二体。
血に濡れた体を硬直させたように、広場の中央に、距離を置いて立っていた。
パキトポークとアイーナ。
この二人が……。
見分けはつかないが、近くに立っている少し大きい方がパキトポーク……。
その向こう、かなり遠いところにいるのがアイーナ……。
なんとなくそんな気がした。
その大きい方のパリサイドに向かってチョットマが歩み寄っていく。
緑色の長い髪をなびかせ、ねえ、パキトポーク、と言いながら。
イコマは念じた。
ああ、パキトポーク。
お前が可愛がっていたチョットマだ。
目を開け。
チョットマだ。
分かるか。
チョットマだぞ。




