473 パキトポークが私の身体を求めるなら
あっ。
レイチェル、そんなところに!
遠くガーデンの広場のど真ん中に、レイチェルの小さな姿があった。
ああ!
あれはユウ!
アングレーヌの姿もある。
レイチェル!
あまりに無防備!
こんなところにのこのこ出てきて、どうする!
ンドペキの姿が消え、次の瞬間にはレイチェルの目の前に姿を現していた。
「パパ、パパ」
「チョットマ……」
「パパも念じて、パキトポークとアイーナを愛してるって」
「皆さん、大好きな二人に、心の中で言葉をかけてあげて……」
と、レイチェルの声が続いている。
「ねえ、アイーナ市長、あなたを実は……」
そうか!
ユウがアヤとチョットマに話したこと。
それだ!
愛する気持ちがロームスを遠ざける!
そうか!
パキトポーク!
アイーナ!
イコマは二人のことを思った。
愛するという感情などないが、それでも二人のことを好ましく思っていた頃のことを思い出すことはできる。
レイチェルが言っている。
「ンドペキ、私の覚悟を邪魔しないでね。パキトポークが私の身体を求めるなら、喜んで捧げるつもり。アイーナが私の心を求めるなら、喜んで捧げるつもり。私はパキトポークとアイーナが大好きだから。すべてを捧げるのよ。今」
そうか……。
レイチェル……。
パキトポーク……。
アイーナ……。
イコマは、黙って二人に思いを巡らせた。
瞼に浮かぶ二人の姿はいつも存在感があって、周りの人を安心させたものだった。
思えば、パキトポークは東部方面攻撃隊に、アイーナはパリサイドの市民にとって、なくてはならない存在だった。
パキトポーク……。
アイーナ……。




