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402 セイバーを起動せねば!

 あっ、と思った時には、すぐ隣にいた女の胴体が切り裂かれていた。

 血しぶきがイコマの軽装甲にもかかった。


 まずい!


 ひるみそうになるが、立ち止まるわけにはいかない。

 アヤやチョットマがいる前線に!

 すでにスゥはかなり先を走っている。



 甘かった。

 誰が一日二人だけ、などと!

 やつらにそんな計算はなかった!


 警報が鳴り響いている。

 比較的穏やかな光を投げていた照明は煌々と照度を上げ、非常事態を照らし出している。



 なんということだ!


 ここにもあそこにも、切り殺された人が転がっていた。

 うめき声は聞こえない。

 瞬時に息絶えている。


 恐怖の叫びがあらゆるところから聞こえてくる。

 ガーデンの入り口に向かって逃げる人々に混じって、防衛部のいる方向へ逃げる人もいる。



 まずい!

 大混乱だ。


 あれほど賑やかだったテント村は踏み倒され、様々に持ち込まれたものが散乱している。

 せっかく作ったガーデン中央の通路は逃げ惑う人々が押しかけて、転ぶ人が続出している。

 そこを諦めて、他人の食器や衣類や食べるものや、ありとあらゆるものを踏み散らして逃げる人もいる。



 修羅場!


 戦場だ!


 十人ほどの人がまとまって倒れているところがあるかと思えば、男女が抱き合って蹲っている光景もあった。



 また、目の前で、若い男性が切り殺された。

 相手は全く見えない!

 これがパリサイドのスピード!


 次の瞬間にも自分の首が胴と切り離されて、あらぬ方向へ飛んでいくかもしれない。

 首筋に泡立つ恐怖を感じながら、イコマは走り続けた。



 防衛部隊員が走ってきたかと思うと、立ち止まって辺りを窺っている。

 そして消えた。

 その隊員の俊敏さもなかなかのものだが、それでもやつらにはついていけないのだ。


 また別の隊員二人、忽然と目の前に現れ、消えた。


 そうだ!

 セイバーを起動せねば!

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