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450 今もまだ話ができるってこと?

 気がつけば、アヤとチョットマの心配そうな顔が目の前にあった。


「大丈夫?」

「あ……」

「目を回してたの?」

「あ、いや……」

「なんか、気を失いそうな感じだったよ。心配」

「大丈夫や……」

「まだ、全快じゃない?」

「ん、大丈夫」

「本当に? お父さんも少し寝たら?」



 と。


「もしかして……、パパもロームスと話ができるの?」


 そう言ったチョットマ。

 目は、どことなく輝いているようだった。


「いや、そういうことじゃなく……」


 イコマはアヤとチョットマに、今あったことを話して聞かせた。

 そしてチョットマからも話があった。



「チョットマ、ということは、今もまだロームスと話ができるってこと?」


 顔を曇らせたわが娘。はっきり頷いた。



 なんということだ。

 敵がチョットマに語り掛けてきているとは。


 パリサイドの体を望んだらそうなった、とはそういうことだったのか……。


 なんと……。


 くそ!


 いったい、どういう了見で。

 娘をどうしようというのだ。

 乗っ取ろうというのではあるまいな!



 何とか平静を保とうとして、声が震えてしまった。


「だ、大丈夫、な、のか」



 それ以外にもっといい言葉があるだろうが、思いつかなかった。

 アヤは、寝ている場合じゃないと、また座り込んだ。



「私は全く大丈夫なんだけど、どうしたらいいのか、困ってしまって」


 パパやンドペキを強く強く想っても、ロームスを遠ざけることができないのだという。


「私の想いが弱いのかもしれないけど、それに……」


 わが娘の涙声。

 何とかせねば。



「ねえ、パパ、ロームスってそんなに悪い奴?」


 えっ。


 答えあぐねていると、とうとうチョットマの目から涙が零れ落ちた。


「私には、そう思えないのよ。少なくとも私の中にいるロームスは」

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