438 ダメダメダメダメ! 絶対にダメ!
「アングレーヌ! それはあなた、自分の死を認めろ、ということ! ダメダメダメダメ! 絶対にダメ! 親にそんなことを言う馬鹿が、どこの世界にいると思ってるの!」
「先輩?」
先輩なんて言い方はやめなさい!
私はあなたを後輩だなんて思ったこと、一度もない!
分かってない!
全く分かってない!
ここ二百年間、私はあなたの母でありたいと思ってきたのよ!
「えっ……」
そういうつもりであなたと一緒にいたのよ!
なぜわからない!
聞きなさい!
あなたには私のすべての記憶を与えた!
それって、どういうことか、分かってるの!
血を分けた親子なんて言い方するけど、それって、どれほどの意味があるのよ!
あなたと私、同じ記憶を持ち、同じ経験を持ち、同じ人を愛し、そのことがどれだけ重いことか、分かってるの!
「でも」
でももしかもない!
私に向かって、死んで来るのでよろしく、って言う気? それで、よし行け、なんて誰が言うと思ってるの!
そんな親がどこにいる!
「でも……それしか……」
黙りなさい!
許しません!
あなたのそのアイデアが成功するしないに関わらず、そんな野蛮で無謀な作戦は許しません!
アングレーヌの目に涙が溢れてきて、今にも零れ落ちそうだった。
「いい? アングレーヌ」
ユウが優しく言った。
「あなたがそれでもそんなことをするというなら、私がします。あなたが行かなくてもいいように」
「えっ、それはだめ……。ユウ先輩……」
だから、先輩というのはやめなさい。
いい?
アヤやチョットマがそんなことをするというなら、私はどんなことがあってもやめさせる。
縛り付けて牢屋に放り込んででも。
あなたも一緒。
私の娘だから。
そうだったのだ。
ユウの言う通りだ。
アングレーヌはユウの娘、なのだ……。
二百年もの間、紡ぎ合ってきた深い絆。
これまで、そのことについてほとんど何も聞いたことはなかったが、考えてみれば当然のこと。
単なる上司と部下であったはずがない。
ユウはアングレーヌを自分の娘、と思っていたのだ!
しかし、
「じゃ、私が」と、言い出したのはサリだった。
「私にもロームスがいるのなら」
その言葉が終わらないうちに、ンドペキが怒りを爆発させた。




