426 ウーウーウッウッ!
しかし、楽観的にシンプルに、まずは自分のできること、という希望は打ち砕かれた。
エリアREFからユーペリオンに近づくと、サイレンが鳴り響いていた。
ウーウーウッウッ! ウーウーウッウッ! ウーウーウッウッ!
「スゥ! 急ごう!」
浮遊走行装置をフルパワーにして駆け出した。
「なんやこれは!」
行く手を阻む鉄パイプのバリケード。
「下がってて!」
スゥの一撃で、ものの見事に粉砕されたバリケードを突き破り、ユーペリオンの中心部に向かって走った。
ガーデンの水系、最上流地点。
サイレンはそこにパリサイドが上陸したことを告げていた。
「行くぞ!」
一瞬、レイチェルの執務室に向かってユウと合流すべきかとも思ったが、やはり、現場だ!
ガーデンから人々が我先に逃げ出していた。
前に進めない!
薄闇の中を人々が押し寄せてくる。
誰の顔も恐怖に目を見開き、転んでは起き、一心に駆けてくる。
顔中血だらけになっても、足を痛めても、とくかくガーデンから遠ざかろうと必死だ。
もう、浮遊走行装置は使えない。人々を傷つける。
「通してください!」
腕を振りまわりて叫んでも、人々にそんな声は聞こえていない。
次々に人にぶつかられ、立っていることさえままならなくなってきた。
「通ります!」
押し合いへし合い逃げ出してくる人の波に逆らって立っているより、逆行した方がまだ安全だ。
が、くそ!
なかなか進めない。
アヤ! チョットマ!




