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425 楽観的にいこう

 が、悲嘆にくれるのはまだ早い。

 それほど悲観的に考えずとも、いいのかもしれない。

 ロームスの実験は、今回は大したことはない、という結論だってある。

 それに、ロームスが実験結果に満足すれば、案外早く収束するかもしれない。


 つまりは、実験の目的、これさえ掴めれば……。



 キョー・マチボリーはこうも言った。

 地球を蒸発させるなんて、荒業はやってこないさ。海底にパリサイドをやった意味がなくなる。


 今回は楽観的に見ていていいのかもしれない。

 ただ、今回はパリサイドの肉体ではなく、地球人類の肉体での抵抗となる。そこが心配と言えば心配。


 人類が抗うこと、それがロームスの目的を達成させる……。



 シンプルに考えてみよう。


 初心に帰れ。


 そもそも自分はどの謎に挑戦しているのか。

 レイミ殺害の犯人を暴くこと。

 これだ。

 それを明らかにする、まずはこれが自分の仕事。

 本来の。


 ロームスの意思がどうとか、そこにフォーカスを当てようとするから何も見えてこないのではないか。

 実験回避の方法をキャプテンに聞いて来いと、レイチェルに依頼されたとはいえ。


 単純に、レイミを殺した犯人は誰なのか。

 僕にとって重要なことは、これではないのか。



 ならば、思考の転換が必要。

 レイミ殺人事件はロームスの意思なんて関係ない、はず。


 その前提で。



 実験がどうとか、試練がどうとか、関係ない。

 ジェドリやニェメト。関係ない。関係あるはずがない。

 レイミを殺したいと思った奴を、そして実際に実行した奴に焦点を当てるべきなのだ。

 余計な情報をそぎ落とし、レイミが殺されたことのみに注目する。

 こんがらがった糸を解くために、まずはその糸の端を、つまり疑問の発端に戻るべきなのだ。

 森を見る前に、まず木を見よ、だ。



 殺害現場はどうだった……。

 アリバイは……。

 凶器は……。

 イエロータドはどう言った……。


 囲碁……、タァーレル……、ボニボニが紹介して……、トゥルワドゥルーを……。イペのナイフ……、サスケイが自首して来て……。



 ふと、気づいた。

 スゥの寝息に合わせて自分も呼吸していた。


 見れば、スゥの被った毛布が規則正しく上下している。

 スゥ、スゥ、スゥ……。


 その寝顔は、まさしくユウそっくり。



 ようやく眠気が下りてきた。

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