423 全滅することを視野に入れた実験
ロームスの実験。
人類に試練が与えられている。
そういう観測が濃厚……。
しかも、キョー・マチボリーをもってしても、回避する方法はない……。
ロームスは自分の意のままになる百人を海底に移動させ……。
ということは、ユーペリオンにいる最後の人類一万五千人に対して究極の実験、つまり、全滅することも視野に入れた実験でもいいわけか……。
これから何が起きるのか……。
キョー・マチボリー曰く。
宇宙船は数光年先までジャンプすることが現在でも可能。
しかも、船内は完全な無菌状態を保つことができている。
つまり、ロームスの霧は一掃されている。
人の体内からロームス粒子が飛び出してきても、瞬時にそれを攻撃し、消滅させる仕組み、つまりクルー達の訓練も実施済み。
地球からの離脱に向けて、準備は着々と整いつつあるということ。
宇宙の果ての果て、ビッグバン以降、膨張を続ける宇宙の外周部にまで行けるという。理論的には。
何千万回もジャンプを繰り返しての話。
そのエネルギーを充填するのに、星間宇宙の只中であれば、それこそ太陽系の歴史ほどの年月がかかるらしい。
つまり、実質的には不可能な話……。
したがって、宇宙に逃げ出したとしてもロームスの手の平から飛び出すことにはならない。
一時的な時間稼ぎにはなるとしても。
しかも、そんな動きをロームスが察知すれば、さてどうなるか、とキョー・マチボリーはどこか朗らかに言ったのだった。
かといってベータディメンジョンに避難する?
ごく一部のパリサイドは、次元を超えて移動することができる。
ということは、敵がパリサイドである以上、決して安全地帯というわけではない。
むしろ退路に窮する。
ロームスの本体がそこまで追ってくるかどうかは別にして。
いや、すでにあの次元にもロームスがいる可能性があるわけか。
人が行き来していたんだから。
そして、アイーナはじめ、パリサイドが足を踏み入れたのだから。




