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416 またあの難解な話を聞かにゃならんのか
ケーキを食べ終えても、キョー・マチボリーの講義は続いた。
七面倒なことを、半ば、嬉々として語ってくれた。
こんなテーマを。
「ロームスは宇宙の隅々にまで力を及ぼすことができる。意志の力を」
シンラやプリミティブエナジー。
そんな話を以前、この男から聞いたことがある。
「あれか?」
「覚えてたか」
「ぼんやりと」
この宇宙そのものとも言えるエネルギー、それが「プリミティブエナジー」
その昔、ダークエネルギーと呼ばれていたもの。
かつてダークマターを呼ばれていた正体不明の物質、それが「シンラ」
確かあの時、キョー・マチボリーはそう言った。
「シンラとは、いわゆる「気」であり、意識であり、ルール。そしてまた、プリミティブエナジーと対をなすもの。その「気」であり「意識」であり「ルール」を動かすものがプリミティブエナジー」
やれやれ、またあの難解な話を聞かにゃならんのか。
「イコマ、人の意思や感情も大きな力になりうる。知ってるか?」
なんとも面倒な話になってきたものだ。
まだ時間はあるが、そろそろ疲れてきたぞ。
スゥはユウとして完全に理解していることなのだろう。欠伸を噛み殺している。
キョー・マチボリーよ。
もういい加減、結論を言ってくれてもよさそうな気がしてきたぞ……。




