411 正義の味方ってことね
「それにね。アヤちゃんはキョー・マチボリー船長に選ばれているのよ」
「え? どういうこと?」
「パリサイド星域から宇宙船が太陽系へ移行したでしょ。その時、キョー・マチボリーはあることをしたのよ」
「えっ、それって」
「そう。つまり、キャプテンはステージフォーの残党と思しき者を一掃した。一人残らずね」
「それって、まさか、殺した?」
「ありていに言えば、そういうことになるわね」
「ひえ!」
「アヤちゃんはキャプテンの始末リストには入っていなかった。つまり、正義の味方ってことね」
「ヒヤァー」
「でも二人とも、危ない橋を渡ってしまった。分かってるよね」
「パリサイドになったこと、よね?」
「そう。ロームスの意思が二人とスミソに働いている。これは紛れもないこと」
「どうしたらいい?」
と、アヤちゃんが不安そうな声を出した。
チョットマは困った。
いつかはママにロームスのことを相談しようと思っていた。
だが、これではロームスの声がいまだに聞こえる、なんてことは話せない。
ましてや自分が名をつけたことなど。
「実は、私達もずっと悩まされ続けてきた。意志を感じることがあったのよ。あのステージフォーの連中は、それに飲み込まれてしまった人達ともいえるわけ」
「そう……」
いよいよアヤちゃんの声の不安度が増してくる。
「それに、パリサイド星に置いてきぼりにしてきて、もう死んでしまった人々。彼らも、それに準じるというのかな。心の半分がロームスに支配されているというかな、そういう人。いざというとき、どんな行動をとるか分からない人達、だったのよ」
だからアイーナ市長は彼ら市民を見殺しにした……。
切り捨てたのだ……。
人として、仲間として扱わずに……。
アイーナは想定していなかったが、結果として、オーエンのロームス粉砕作戦によって、宇宙に漂う微粒子のひとつになってしまった。
考えてみれば、恐ろしい。
私たちはその生き残り……。
ママ……。
こちらに戻ってきてから、以前のような明るさが影を潜めたように感じていたが、こういうことも影響しているのかもしれない。
チョットマはママを見つめた。
見返してくれる目が悲しげだと感じたのは、思い過ごしだろうか。
手を伸ばしてきて、私たちの手を取った。
「ノブが帰って来てから話そうと思ってたんだけど、タァーレルが殺されたとあっては、猶予はないわね」
「殺された……」
よーく聞くように、とママが念を押した。




