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408 ピンクのハートマーク?

 葬送の後、サリは防衛部のシフトに戻り、イエロータドはどこかに消えた。そしてイペは元いた場所で蹲ってしまった。

 チョットマはアヤと共に、レイチェルの執務室に向かった。

 ユウと話すために。

 


 楽しい道中とはいかない。

 沈黙した足取りに、イペ、レイミ、サスケイ……、重い感情が胸に渦巻いている。



 ーーーーピンクのハートマーク



 えっ。

 ロームス……。

 独特の胸の疼きが、声を届けてきた。


 もう立ち止らなかった。

 立ち止まって心を静めたところで、ロームスの声が再び聞こえてくることはないと知ったからだ。

 それに、アヤちゃんやスミソに気取られたくない。



 それにしても、今度は何?

 ピンクのハートマーク?

 レイチェルの専売特許?


 どういうつもり?


 ねえ、何のつもり?



 やはり反応はない。

 意識を研ぎ澄ませても、聞こえて来るものはない。

 クリアだった視界が心持ちぼやけただけ。


 ねえ、なぜ一方的に言葉を投げて来るだけで、私の呼びかけに応えてくれないの?

 ねえ、ロームス。

 昔はもっとちゃんと会話できていたのに。

 さっきは私の名前を呼んでくれたのに。



 私の名前を……。


 そうかっ。



 閃いた。

 もしかして……。

 ロームスって呼んでるけど、これがいけないのかも……。


 私が、おい、人間、と呼ばれていい気がするだろうか。

 するはずがない。

 名前を呼ばれる方がうれしいに決まってる……。

 もしや、ロームスも。



 私の胸に住んでいるロームスにも、ちゃんと名前があるのでは。

 私が勝手につけたフロッグではなく。

 ロームスはひとりのロームス。名前なんてないって言ってた気がするけど。

 区別する必要がないのなら、名前は必要ないけど……。


 本当にそう?

 ロームスというのは人がつけた名前。

 本当の呼び名があるのでは……。



 ねえ、あなたの名前、教えてくれない?

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