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394 悪ふざけかもしれんけど

「あああっ! あんた……」


 思わず立ち上がった。


「遅くなったけど、朝一番のお茶でもどうぞ」


 まるでマホガニーに見えるコーヒーテーブルが、床から生まれるようにせりあがってきた。


「お茶? あ、いや、そりゃどうも。て、そんなことより、それ、あんた!」

「まあそう言わず。宇治のおいしいお茶やで」



 イコマはテーブルに湯飲みを置く男の、キョー・マチボリーの顔を見つめた。


「茶托がどこにあるか、分からんかった。男所帯なもんでな。無粋ですまん」



 キョー・マチボリー、なのか……。

 この若い男……。



 体形は、線が細い感じはするが、どこといって特徴はない。

 長めの豊かな黒髪をオールバックにし、整髪料で軽く押さえている。

 太い眉に黒い瞳。長めの睫毛が少々女性的な印象。

 明らかに日本人の顔……。


 墨色のスタンドカラーのシャツ。胸元から濃いめの胸毛が見えている。

 スリムな黒いズボンに黒い革靴。



 こ、この姿は!



「おい、それ」

「さすがに覚えてたか。そう。イコマ、あんたの姿や。若かりし頃のな」

「な、なんちゅう!」


 バカなことなのか、ふざけたことなのか、咄嗟に言葉が出てこなかった。

 さすがのスゥも目を見開いている。


「悪ふざけかもしれんけど、ちょっと借りてみた」

「なんちゅう!」



 イコマは同じ言葉を繰り返したが、やはり二の句は継げない。

 しかし、スゥはケラケラと笑い出した。


 笑うようなことか!

 人の身体を、いや姿を、借りてみたなどと!

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