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390 以前よくしてくれたように、その腕に包んで欲しい

 父ホトキンの作り出したゲートをくぐって、ベータディメンジョンに地球人類が避難できるかどうかを確かめに行き、結果、帰らぬ人となったサブリナ。

 再生カプセルを持っていなかったばかりに。


「あの時、僕を助けなければ、彼女が死ぬことはなかったんだ。ニューキーツに帰還し、母であるライラと、父であるホトキンと、親子で楽しく暮らすことができたんだ。少なくとも……」



 そうだったのね……。



「だから、感謝、だけじゃないんだ。誇らしいと思っているんだよ」


 そうだったのね……。



 目に涙が浮かんだ。

 心優しいスミソ。


 ライラの心情を慮って、なぜ自分がパリサイドの姿になったのかを、詳しく語ろうとさえしなかった。

 その経緯を知っているスジーウォンも。

 語れば、サブリナと言う名が出てくるから。

 それがライラの耳に入るから。


「ライラは知っていたんだと思うよ。でも、だからと言って、サブリナの姿をライラやホトキンの前で、見せるのは、あまりに……」



 ああ。

 スミソ。


 東部方面攻撃隊。


 ハクシュウ、ンドペキ。

 スジーウォン。

 いい人ばかり。


 スミソ、あなたも、こんなに……。

 優しくて強い意志を持ち……。



 ああ。

 今の私の気持ち。

 どう表現すればいいのだろう。


 私も東部方面攻撃隊の一員。

 そしてスミソに愛されて……。


 幸せ、という言葉だけではとても言い尽くせない。



 今、目の前にいるスミソに、何と言えばいいのかわからなかった。

 以前よくしてくれたように、その腕に包んで欲しいと思った。


 でも、さすがにここでは。

 死んだタァーレルの前では。

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