389 僕の大恩人
「言ってなかったけど、実はこの身体、僕の大恩人。僕の命を繋ぎとめてくれた女性」
え。
そういえば。
「ロア・サントノーレにカルベスの刃を取りに行ったとき。あそこで僕は死にかけた。僕の意識が途切れるその寸前、パリサイドの女性が自分用の再生カプセルを飲ませてくれた」
そうだった。
そんな話を聞いたことがある。
「サブリナ」
あ!
そうだったのか。
だからスミソは女性の姿に。
え!
サブリナって!
あのサブリナ?
「彼女がいたから、スジーウォンと僕は、あのカルベスの刃を手に入れることができたんだ。彼女がパリサイドで、助太刀してくれたから」
「う、うん……」
サントノーレという村でのこと。
サブリナが業火の中で刃を空中に持ち上げてくれたから……。
そう、聞いたことがある。
「大恩人なんだ」
「うん……」
「宇宙船で、僕はずっとパリサイドの身体でいただろ」
「うん」
「実は、この女性の身体になれることに気づいていたんだ。でも、そうしなかった。ライラが見て悲しむだろうから」
「……」
私はサブリナという女性に会ったことはない。
でも、聞いたことはある。
ライラおばあさんから。
ライラの娘サブリナ。
神の国巡礼教団に入り、パリサイドとなって地球に戻ってきたサブリナ。
ライラはこう言ったことがある。
何が罪滅ぼしだい。
死んでしまって、何が罪滅ぼしだい。
つくづく親不孝な娘だよ!
そんな言葉とは裏腹に、おばあさんは……。




