メニュー7 憎悪は血の味
戦闘描写があります。
耳障りな女の高笑いを聞いて実来は一瞬顔を歪めて俯き─────、
「うっひゃひゃひゃひゃ───ぐっふぅう゛!?」
バッキッッ!!
実来は振り返りながら女の顔に拳を全力で叩き込んだ!
実来の目は完全に据わっている。叩きつけた拳は女を殴った衝撃と自身の握り込んだ力によって血が滲み出ていた……。
「───とりあえず。あんたがまともな人間じゃないのは、よく、分かったわ」
僅かに腫れている拳を胸の前まで上げて───しかし実来の視線は女から一瞬たりとも逸らされることはなく。
「私、あんたみたいな所謂人外の存在って殺したいほど大っっっ嫌い! なの。オカルトもホラー関係の物も、全部」
薄暗く微笑む実来に、変質者である女の方が僅かに引いた。そして相手が引いた分だけ、実来は距離を詰める。
「だから私、決めてたの。もし万が一、私の前にそんな人外の存在が現れたら─────徹底的に、ブチのめす、って」
ここで実来はニッコリ微笑んだ。
「だから……。私を狙ったのが運の尽きだと思ってね? ──────────────手加減する気がないから」
言い終わるや否や。実来は女との距離を一気に詰めてその顔面に再び拳を見舞おうとした。
「……っ、!! ………ぅつ、がぁあ!?」
女は避けようとしたが、実来は突き出した拳のスピードを利用して踏み出した足を軸に体を半時計回りに回転させて女に回し蹴りを叩き込んだ。
「────その程度でヤられるほど柔じゃあないでしょ、流石に? ……今まであんたの被害にあった人の分も纏めてぶっ飛ばしてあげるよ」
のたうち回りながら実来から距離を取ろうとする女。そんな彼女をまるで虫けらでも見ているかのように見詰める実来。
「あんたが何で人を襲っていたのか知らないし、知ろうとも思わないけどさ。逆に自分が狩られる意識も覚悟もないくせにふざけたことをしないでよ。お陰で私の周りの人達も迷惑被ってるし。………ホント、最悪だね、あんた」
「うっ、う゛う゛う゛」
射殺そうとするような女の視線をうっとうしいとでも言うように鼻で嗤う。
「なに? 言いたいことがあるなら言えば?」
そう言いながらも実来は容赦なく女に攻撃を加えていく。女はのたうち回りながらも実来から離れようとするが、そんなことを見逃すほど実来は甘くはなかった。
幼い頃から実戦形式で鍛えられてきた実来の打撃はとても鋭く、重かった。手加減していない実来の業は生身の人間だったらとっくに死んでいても可笑しくないほど急所を的確についてくる。
「……っ、!!」
「──ふん!」
地獄突きを食らわされた女は近くにあったゴミ箱に突っ込んだ。
「う゛っ、う゛う゛う゛……。ちぃぃぃくぅぅしょおおおお!!!!!」
痙攣しているかのように震えていた変質者の女は突如として叫び声をあげた。
「!?」
実来は驚いた。叫び声をあげながら狂ったように髪を振り回す女の姿が、少しずつ薄れていっていく───。
「!! 待ちなさい!」
急いで駆け寄るも。女の姿は霧のように霧散して完全に消えてしまった。
「チッ。トドメを刺せば良かった……」
舌打ちしながら、実来は邪魔だと思い近くに放り投げてあったカバンを持ち上げてホコリを払いながら唇を噛み締めた。
プツッと唇が切れて口の中に血の味が広がってゆく───。
(逃げられた……。でも、幽霊みたいな人外相手でも触れることがわかっただけでも儲けものかな?)
人間その気になれば幽霊でも攻撃を加えることがわかった。たが逃がしてしまった以上、もし他の被害者でも出ようものならば。それは取り逃がした実来の責任だ。
(殺せば良かった。あんなモノなんて……)
思い出すのは幼い頃に、泣き叫びながら姉を呼ぶ自身の姿。
実来の瞳には隠しようのない憎しみの色が濃く、深く、映し出されている。
「絶対許すか、あんなモノなんて。次の被害者出る前に確実に仕留めてやる………」
果てない怒りによって爛々と輝く瞳を先ほどまで女のいた場所を睨みつけながら、宣誓するように言ったのだった………。
幽霊相手に恐れるどころか容赦なくぶっ飛ばす素敵な実来さんでした~。
実来さん、変質者の女もとい幽霊モドキをターゲットにロックオン! どっちが凶悪犯だが判りませんね……(汗)
実来がオカルト・ホラー関係嫌いな理由は別作の「
一言いいですか?従姉妹殿──あんた二千年前の異世界で何してくれてんじゃ!!!(リメイク版)」か「特別メニュー 聖夜の奇跡」をご覧ください!
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