ギルド備え付けの道具
本日の天候、謎。
アルギアンス共和国にある冒険者ギルドの一日が、また始まる。
~ ギルド備え付けの道具 ~
本日のお天気はまさに快晴。
「ん……」
「どうした、お前様よ」
「あぁ、いや……鎌の切れ味もやばくなってきたかなぁって。
なんか切るって言うより千切るに近いような気がしてね……」
「まあ、5、6年もずっと使い続けていればそうもなろうさ。
鎌如き、鍛冶親父に出す程のモノでも無いしの」
現在真昼を少し過ぎた時間といったところ。
今日は昼食を注文した冒険者が居なかったので
依頼を更新したい者、依頼から帰還した者、アクシデント等が無ければ
昼一杯、施設周りの管理に手を加える時間となる。
「やりづらいのなら、倉庫から貸し出し用の
エンヴァイルド・デスでも持ってきてはどうだ」
「草刈り如きにあんな物騒なモン使えるかッ!!
躓いて転んで頭に刺さったらどうするつもりだッ!?」
エンヴァイルド・デス。
持ち主を冒険者ギルドとした、少し危険な依頼をこなす際に
念のために貸し出される、一級品の片手剣である。
名前こそ『デス』と付いてしまい、非常に危険な代物に感じるが
何の事は無い、特殊効果は特定の言語を剣に伝えると
使用者の体を若干軽くしてくれる程度のレベルである。
ただし戦闘中においては、これは非常に有用なバッフとなり
もしも形勢が悪くとも、余程酷い囲まれ方をしていない限りは
二人を肩に担いで逃げられる位に、肉体的負担を軽くするのだから馬鹿に出来ない。
デスと名づけられた由来は、あえて反語の魂名として
『死ぬな』という意味が与えられている。
品質管理を日頃から冒険者達にそこそこうるさく注意しているギルドマスターらしく
その剣は倉庫から2週間単位で引っ張り出され
金が足りない時はギルドマスターが手入れをして
ギルド自体に資金の余裕がある時は、アルギアンス共和国内に居る鍛冶屋の
獣人鍛冶屋・通称鍛冶親父の下へ持ち込まれ
他の貸し出し武器・防具・他にときたま鍋などの鉄製道具と一緒に
親父の腕で、生まれ変わって帰ってくるのだ。
「だがなぁ、そんな草如きで苦戦しているようなら
切れ味が凄いものを引っ張り出したほうが早いのではないか?
ほら、例えば我の人化を解いた爪とか─────」
「お前は俺と宿泊客を殺す気かッ!?
あの図体であんな危険なモンをここで振られたら
その一撃だけで真空波が発生して、ここら一帯全部崩壊するッ!」
「あ、あーいや、そんなつもりではなかったのだ。うん。
ただな? なーんか、こう……たまには破壊したいと言うか」
「よし、わかった。受付に行って書類整理しててくれ」
「お、お前様ぁー!?」
しかし、その手入れの重要度は大切なものであり
現時点でエンヴァイルド・デス……略してエスは、30回程貸し出されているが
依頼の失敗を含め、約30回。必ずギルドに戻ってきているのだ。
それはつまり、依頼を請け負った者が必ず帰還している事を示す。
「す、すまなんだ! すまなんだ!
頼むから、一緒に居させておくれ!」
「少し嬉しい事言ってる様に聞こえるが……
ただ単に書類と戦うのが嫌なだけだろう」
「て、てへ?」
バチンッ。
「あだっ!」
「ったく……そーだなぁ。
鍋だって何回か直してもらってるしなぁ。鎌も見てもらおうか」
愛しの伴侶にかなり本気のデコピンを加え、マスターはひとりごちる。
「っつつ……そういえば、以前の種族交流で
また魔国から色々な物が持ち込まれたのだろう?
どうせなら武具の作成を依頼に行ってはどうだ」
「あー、まあそれでもいいんだけどもな。
今はまだ収穫期でもないから、作ってもらえるほど金が無い」
「確か人間には『ツケ』とかいう制度があったのではないか?」
「何処で覚えて来てんだそんな言葉……」
基本的にここで貸し出される武器は、種族交流によって得た物で
武器に混ぜて何かしらの恩恵を付与出来そうな物をこちらで提供し
鍛冶親父の作成意欲をそそった上で、作ってもらっている。
ただし、その際には『お得意様』という事でかなりの値引きはされているのだが
いかんせん、冒険者ギルド側は鉄までは用意しない。
一応冒険者の中にも、まるで鉱山父の様に山に出かけていって
珍しい鉱石や、凡庸性に優れる鉱石を取ってくるタイプの冒険者もいるのだが
彼等が取ってきた鉱石は、ギルド側では基本的に買い取りはしていない。
『金があるなら』という前提が置かれるが、鍛冶親父が全部買い取るのだ。
薬草や調合材料等に関しては、辺境に塔を建てて
一人でのんびり住んでいる偏屈な魔道学者や国立賢者も居るので
その辺境があまりにも交通不備な場合は
買取後にギルドが依頼者へ持ち込む形になる。
鉱石は、既にこの国に買い取り主が居る為に、そちらに持って行けという方針なのだ。
少しでも多く、手数料が掛からずにお金を得られるように
ギルドマスターは、貧乏くじを引けるところは嫌な事が無い限り引いている。
「まぁ、良いか……そのうち持って行けるはずだ。
今はこの鎌で我慢を─────」
「いや、だからほれ。使えば良いではないかお前様」
「お前いつの間に持ってきやがったんだそれッ!!」
そうして普通に差し出されるエス。
一体何時取ってきたのかわからないが、目の前に現存しているのだから
素早く行動しておいた、という事なのだろう。
さすがのエンシェントドラゴン。
明らかにスペックの無駄遣いだ、とマスターは思う。
「だーめ。良いから倉庫に閉まってきなさい」
「えぇー……良いではないか、良いではないか」
「書類整」
「行って来る!! しばし待たれよ!!」
その時、アルギアは確かに音速を超えた。
200m程離れている倉庫に僅か4秒で飛び込み、己の危機から逃れる事に成功する。
「……ふぅ」
そんな光景も、続いて早100年近く。
自分の周りは実に平和になったものだ……と、昔を懐かしむマスターだった。
◇
「おやっさん、ただいまー……」
「マスター、ただいま帰還しました」
「おぅマスター! 今回も帰ってきてやったぞッ!!
労いやがれっ!!」
受付で書類整理を行っているマスターの元に
一人前の冒険者が頑張って遂行出来る依頼を渡していた3人パーティーが帰ってきた。
長らくペアでやっているアレス・センリコンビに加え
周りによく『姐御』と呼ばれている冒険者が組み込まれていた。
「おかえり、アレスにセンリ。
やはり余裕とまでは行かなかったようだな」
「あ、はい。かなり─────」
「おいコラちょっと待ちやがれッ!
なんで俺様にゃ労いの言葉がねぇんだッ!」
「ん、聞きたいか」
「え?」
なにやら重要そうに聞き返してくるギルドマスター。
熟練の冒険者であり、戦士である彼女に一抹の不安がよぎる。
なんだ、やっべぇ、俺なんかやっちまったか。
なんだろう、カンが囁いてる。なんだかやべぇ内容、切り出されそうだ。
今回結構頑張ったのに。ガキ共の御守もしっかりしたのに。
そんな風にざわざわと、彼女自慢の危機感知能力がざわつき
思わず額に油汗が流れていく。
帰って来たのに、労いの言葉が無い……つまり居ないのと同じ?
居ないのと同じって事は─────まさか、登録抹消!?
別段悪い事をしているわけではないのに、何故かマイナスベクトルへ突っ走る。
そしてギルドマスターは……とてもおもむろに呟く。
「なんで労いの言葉が無いのか……だったな」
「お、おう……」
「……ど、どうしたんだ、おやっさん」
「マ、マスター……?」
「お前に言葉がなかった理由はな……───なんとなく、だ」
その発言に思わず全員ずっこける。
特に姐御と呼ばれる冒険者、カトレアが一番盛大にずっこけた。
「てめっ、おまっ……! そういう胃に来る様なボケはやめやがれっ!!
一瞬何言われんのか気が気じゃなかったじゃねぇかコラァ!」
「ん、まあそんなもんだろう」
「そんな一言で済ますんじゃねぇーーーー!!」
本人自慢の危機感知能力は、単なる勘違いだったようである。
はた迷惑な事この上ない勘だった。もちろん誤解させるマスターもマスターだが。
「っはぁー……まぁ、いいやぁ。
とりあえず受けた依頼はキッチリ証拠付きで完了させたからよ。
ほれ、これが討伐証拠だ。報酬くれや報酬」
「わかった、確か25000zだったな?
少し待ってろカトレ─────あれ、ちょっと待て」
「ん、どうしたよマスター」
「今回お前にシールドアテナ貸し出してたよな。
あれはどうしたんだ? 終わったら返せと言っただろう」
『ギクッ』
「…………ん?」
貸し出した防具、シールドアテナが返って来ない事に突っ込むと
全員が全員、一斉に固まった。
カトレアも今回の依頼の達成に満足し、借りていた事を今の今まで忘れていたのだ。
「あぁ、えっと……ほら、な?
やっぱよぉ、ひよっこと一緒だと、きつくて、な?」
「まぁ……そうだな。二人はまだまだひよっこだろうな。
もしかして一撃を受け損なって、砕け散ったりでもしたのか?」
「そ、そうそう! 思いのほか重い一発もらっちまってよー!
受けどころが悪かったのか、一気に砕けちまってな! ガハハハハハー!!」
カトレアの返答はとてもドギマギした受け答えであった。
ギルドマスターが確認してみると、後ろの二人はやや引きつった笑顔を浮かべている。
「ほーそうかそうか、そいつはご苦労だったなぁ。
自動修復魔法が盾自体に掛かってるのに、砕け散るなんて凄い攻撃貰ったんだなぁー」
「お、おうっ! いやいや、凄まじい威力だったんだぜ!
盾の自動修復魔法なんかものともせず……自動……修、復……あれ?」
会話に借りた本人が知らなかった機能が存在する事を今更知り
センリとアレスが後ろで『アチャー』と顔に手を当てる位の墓穴を掘ってしまっていた。
「ん~♪ そうかぁ。よくそんな相手に二人共無事で返せたなぁ。
あの盾って、過去にオーバーⅩのヤツに持ってもらったら
アルギアの一発すら防いだ、由緒ある強度の盾のはずなんだがなぁ~」
「あ、いや……その……」
「それに自動修復まで付けてるのに、壊れたかぁー。
あっはっはっはっはっはっはっは♡」
「ア、アハハハハハハハ~♪」
「……正座。」
「ハイ。」
最早ごまかしも無理と判断。カトレアは素直にギルドマスターの指示に従う。
「アレス、センリ。今回の事はお前達に責任はない。
保護者として付いて行かせた上で紛失したこいつの責任だ。
ご苦労だったな、報酬はあとでこいつに届けさせよう……ゆっくり休め」
「あ、で、でも……」
「行くぞセンリ!!」
「あ、ちょ、ちょっとー!」
同じ男として既にマスターに並々ならぬ気配が漂っている事をアレスは察知し
カトレアもアレスと同じく、潜って来た修羅場の経験から、マスターの怒りを感知。
アレスは何か言おうとするセンリを無理矢理引っ張って
自分の宿泊する部屋へと引きずっていった。
「……カトレア」
「ハイ……」
「申し開きは?」
「あ、あの……その。
あいつらが、その……後ろから迫って来たやつに、
不意打ちしかけられそうになって……
それに気付けて……でも間に合わないから……」
「ふむ……」
「持ってた盾、咄嗟に投げつけて、怯ませて……」
「今回頼んだ依頼は森での野良トロル討伐だったな……。
投げた後にでも転がって、見失いでもしたか」
「ハイ……」
「本当だな?」
「本当です……」
一つ一つ尋ねて行き、ギルドマスターは真相へと辿り付く。
さすがに今回は、後ろめたさもあって嘘は付いていないようである。
(ふむ……確か今回の依頼地域には……んー。
それしか方法なさそうだな。鬱蒼と茂った森じゃ
あれが持ってる魔力の探知で探し当てるのは時間が掛かりそうだ……)
全てを聞いた上で情報を整理し、なんとか探し出せそうという事を確認。
ギルドマスターはすぐさま出かける準備へと入る。
「カトレア、お前はすぐに出発の準備に入れ。
アルギアに乗って、なくした場所まで行くぞ」
「ゲッ?! アルギア姐さんって……高速便かよッ!?
勘弁してくれ……せめて定期便で」
「じゃ、借金でいいぞ。あれ何気に他の国の国家予算基準で1/10程度はするから。
このまま行くと、オーバーⅩになってもまず返せないだろうな」
「喜んでお供させて頂きますよこの野郎ッ!!」
やけくそ気味に正座から立ち上がり
カトレアは心で血の涙を流しつつ、外に出るマスターに同行する。
完全に自業自得である。
◇
そうして、マスター達はアルギアの背中に乗り込み
なくしたと証言される森へと到着する。
「全く……。
これからミニアとアヴァランチェインでもして遊ぼうとしていたのだが。
カトレアよ……この借りはでかいからな?
具体的にはシャロネーゼを三本、ギルドに提供せよ。」
「勘弁してください勘弁してください……そこまでの余裕は無いです……。
ついでに言うと体力的にも死にそうです……」
「……あまりいじめてやるな、アルギア。
さて……そいじゃ、行くとするか」
「うむ、あそこへ行くのも久しぶりじゃのう。
前の時にもおらんかったしのう」
「まだ商品を貯めている最中なんじゃないか?
あいつら、一気に交易しようとしてるしな」
「な、なぁマスター。どこ行こうとしてんだよ……」
夫婦二人で勝手に話しが進んで行くため
部外者であり現在集中力が不足しているカトレアは、話の進行速度がよくわからない。
そして マスターが背負っている袋の中身にも興味があった。
「んー、まあお前等は慣れないところだろうなー。
だがなくした責任だ。今回は耐えろよ」
「い、いや、耐えるって……何がだ?」
「おーい、お前様ー。とっとと行くぞー。
こんなところでのんびりしてるより、あいつらの里でのんびりしたいからのー」
「おーう、わかった。ほら、早く行くぞ」
「あ、おい、ちょっと!」
一人疑念を抱えるカトレアを二人は全放置という形で答え
鬱蒼と生い茂る森をまるで自分の庭の如く突き進んでいった。
付いて行くカトレアは既に方向感覚が麻痺してどこがどこやらである。
ここではぐれてしまったら、間違いなくスピード狂の様に遭難することだろう。
◇
「お、見えてきた見えてきた。
さすがだなぁ、アルギア。かなり久しぶりなのにニアピンじゃないか」
「ふっふっふ、伊達に長生きはしとらんよ」
「……っはぁ、よかった……案外早めに着いて……。
これ以上深入りしようもんならどうしようかと……」
20分程度、森の中を歩き回り
マスターとアルギアは今回の目的地へと到着する。
その目的地、とは─────
「─────わぅ? ッ! わぅん! アォーン!!」
「うわっ、コ、コボルト!?
く、くっそ……! 武器を……!」
「よっす! お前等元気してるかー!」
「わぅおーーーーーん!!」
一匹のコボルトが、森の中で発見されたかと思いきや
なにやら仲間に向けて遠吠えをした後、勢い良くギルドマスターに体当たりをしてきた。
その体当たりを、マスターはむしろ抱き締めるかのようにハグハグしながら受け答える。
「あ、あれ……?」
「カトレアよ、こいつらは別に敵ではない。安心しておけ」
『わぅーーーーーーーーん!!』
「おっ、おっおぉぉ、おおおーーーぅ!!」
そしてはふはふペロペロと、最初に逢ったコボルトに顔を嘗め回されていると
どこからやってきたのか、他のコボルトまでマスターに突撃を開始。
その場にあっさりと毛玉が出来上がってしまった。
「……な、なぁ、カトレア姐さん……なんなのこれ」
「む、まだわからんのか? 案外お前も鈍いのう……。
ここは、あれじゃよ。我等のギルドで開催してる異種族交易があるじゃろ?
それに参加しているコボルトの里がここなんじゃよ」
「さ、里……? って、あぁ─────」
改めてカトレアが見回してみると、すぐそこに大地に亀裂が走ったような断層があり
その断層には二つ程、穴らしきものが見える。
その穴こそ、今回のコボルト達の里・入り口なのだ。
事情を把握し、まだまだドン引きしつつもカトレアは武器を納め
目の前に出来上がった毛玉を眺める。
「そーれ、そのぐらいにしておくのだー。ほれ整列、整列」
パシンパシンとアルギアが二回手を叩くと、毛玉だったものが瞬時に分裂。
総勢40匹程度が、5匹ずつの列で並び終わる。
「……すっげー統率力」
「ふ、まあこれも力在るモノの宿命よ。
お前様、久しぶりの毛玉は満足したか?」
「あぁ~いやぁもう……うん、たまんねぇ。
ま、せっかく整えてくれたんだ……そろそろ本腰入れるかぁ」
そんな風に、寝そべっていたところをぴょいんと跳ね起き
ギルドマスターは服をパシパシ叩いて埃を落とし、コボルト達に向き直る。
「お前達、突然現れてすまなかったな。
今日はちょっと頼み事が出来たから、お邪魔させてもらったんだ」
『わぅーん?』
そうして、マスターはコボルト達に事情を説明。
知能があまり高くないながらも人語を完全に理解するに至っている彼等に
ひとつずつ丁寧に、ギルド側の事情を説明していった。
「そういうわけで、この丸い金属の板を探して欲しいんだ。
落とした場所の近くは、このねーちゃんが知ってるから
みんなでこの人について行くんだぞー」
「えっ?!」
『わっきゅーーーーん!』
全部をギルドマスターが片付けてくれると思い、完全に安心していたカトレアは
いきなりの指名宣言に思わず慌ててしまう。
「で、報酬がっと……。今回はこれでお願いしたい。
お前達、頼めるか?」
そこでようやく、ギルドマスターは背負っていたモノの正体を明かす。
彼がギルドを出てからずっと袋に入れて背負っていたモノ、それは─────
豊穣の大地より引き抜かれる、雄々しく立派な……大根が30本ほど入っていた。
思わず溜息が出そうになるカトレアだったが……とある一点に気付く。
コボルト達の目が、とてつもなくキランキランと輝き始めたのだ。
それはまさに、至高の食事を待つ子供の如き無垢な瞳。
ほぼ全員、ヨダレがたらぁ~っと地面へと落ちていっていた。
「……OK、だよな? よし、それじゃぁ決定だ!
日が暮れるまでに頼むぞー!」
『ワォォォォォォォォォーーーーーーーンッッ!!』
「ひぃっ!?」
「ハハハハ、あやつらは大根がとても好きでのう。
大根一本で、わしらの宿泊施設に滞在出来る額を稼げる高価な素材を
いつもの交易の場に出してくるぐらいだぞ」
「い、一本で一泊だと……!? どんだけ好きなんだ……!?」
「じゃあ、そのお姉さん勝手に連れてっていいからなー。
よろしく頼んだぞお前等ー」
「え」
ガッシ。
コボルト総勢10匹程に持ち上げられ、そのままコボルトの波に乗るカトレア。
そしてその光景を特段気にせず、やれやれと言った感じに
マスターとアルギアはコボルトの里入り口へと歩いて行く。
「ちょ、ちょっとー!? わっちょ、こらぁ! 顔を舐めるなぁッ!
あ、アーッ! ちょっとぉーーーー・・・…… ......」
あっという間に森に突撃していき、目の前から消えるコボルト達を目で追い
里の入り口からぴょこりと出てきたお留守番の子供コボルト達と合流。
カトレアが紛失した盾が発見されるまでの2時間程度の間
マスターとアルギアは、お留守番コボルト達と憩いのひとときを過ごしたのだった。
冒険者ギルドは、今日も平和である。
バッフ=ドラクエにおけるスクルト、スカラ、ピオリム、バイキルト。
貸し出されても盗難にあわない理由。
まぁ、世間体の悪さと仲間が一切居なくなる辺りでお察しください。
ギルドから窃盗すればもちろん登録抹消。
昨日の友は今日の刺客。
アヴァランチェイン=テーブルゲーム、チェス将棋的なもの。
アルギアは子供レベルに弱い。最強の座は農家のリーダー格。
シャロネーゼ=赤ワイン。1本8000z(1万6千円)します。
どちらも適当に発想した造語です。
アヴァランチェインはどこかのゲームで武器として存在していたか?




