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一丁目のほとり ー悪魔との対話形式による日常記ー  作者: 蘭鍾馗


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【日常の31】全く役に立たない寝言的創作論

「何か、突然さらっと書いたよね。」

 何を?

「新作。」

 オカマバーのやつ?

「それそれ。『オカマバー『アコーリス』へようこそ』。」


 ◇


「私の出自、こんな風にまとめたんだ。」

 うん。

「それをオカマバーと結びつける辺りが新しいわね。」

 実はこれ、名前から入ったんですよ。

「名前から発想したってこと?」

 店名の『アコーリス』って、茎が短かったり殆ど無いような背の低い植物に良く付けられる学名でね。

「そうなんだ。」

『ア』は否定の意味で、『カウリス』が茎ね。

「アカウリスじゃん。」

 英語読みで『アコーリス』ね。そのほうが店名らしいと思って。

「なるほど。」

 で、茎がないって、それはオカマだなと。

「…ごほん。」

 そんな感じで、舞台はオカマバーに決定。


 ◇


「ストーリーはどうやって考えたの?」

 実は、私のミスから始まってるんですよ。

「は?」

 アンテの魂をダンタリオンが吸い取るくだりは、これまで2作品で書いてるんだけど。

「『ヘネラリーフェのほとり』と『サマーンの憂鬱~』ね、」

『ヘネラリーフェ~』では迷子になった男の子は里に帰ってくるんだけど、『サマーン~』では兵士に殺されちゃった。

「ちゃんと確認して書かないから。」

 うん。

「で……まさか、辻褄合わせのために、男の子の運命が変わるストーリーにしたの?」

 はい。


    (゜o゜)☆\(-_-)


「話、先に進めて。」


 ◇


 で、運命を変えるためにはタイムトラベルが必要なわけで、その場所をオカマバーのトイレにした。

「トイレかよ。」

 でもね、店内に突然現れるための舞台装置としては、扉つきの個室であるトイレは便利なんですよ。

「確かにそうか。」

 で、あとは向こう側の転移装置と、その間を往復して運命を変えるための筋書きを考えた。

「なるほど。一部聞かなきゃ良かった話があるけど、大体わかったわ。」


 ◇


「ところでさ。」

 何?

「エッセイジャンルで良く『創作論』みたいなの見かけるけど、ショウキは何か小説書く上でのこだわりとか使ってる手法とかないの?」

 まず、こだわりなんだけど。

「こだわってる事は?」

 ありません。

「ないんかい。手法は?」

 特には。

「これもないんかい。いきなり書き始めるタイプ?初めにプロットとか書かないの?」

 プロットは書かないけど、代わりにやってることはひとつあるかな。

「どんなこと?」

 プロットの代わりに、タイトルだけ書いたエピソードの下書きを初めに全部作る。

「なるほどね。それ見れば話の展開の順番とか確認できるわけだ。」

『ラ・ベーガ』を書いた時に始めたんだけど、オカマバーもこのやり方で書いた。

「完全行き当たりばったり方式でもなかったのね。」

 短編はそれで行けるけど、中・長編はさすがに無理でした。


 ◇


「……結局、創作論にはなんなかったわね。」

 うん。

「たまには人の役に立とうよ。」

 無理じゃないかなー。


 ◇


 今回はこのへんで。

「そうね。なんか煮え切らないけど。」


 ではまた。


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