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綺麗なお姉さんは普通に好きです



図書館は貴族なら貸し出しもしてくれる。

ダメもとでお願いしてみると名前を照会するだけで貸出許可が出た。

おぉ、ちゃんと貴族名鑑に登録されているのか。お父様、ありがとう。

5歳でも貴族ってだけで貸してもらえるんだから権力強いよな。

妾の子は貴族として届け出ない人もいると聞くから良心的な人で助かった。

これで魔法の勉強ができる。

養成学校は試験にパスすれば7歳から入学できるから、あと2年しかない。

図書館には養成学校の過去問があったから、それで勉強しよう。

特別優秀者と認められれば入学金や授業料、制服などにかかるお金だけでなく生活費までが支給される。

優秀者(入学金や授業料だけが免除される)ではダメなのだ。

僕は、特別優秀者でなければ通えない。

養成学校はお金がかかる...。



何度も図書館に通っていれば顔なじみができる。

このお姉さんもそうだ。

ギルドの受付嬢をしているモニカさん。

金髪美人だ。ついでにお胸も立派だ、けしからん。

ギルドの受付嬢をしているだけあって、そっち方面に博識だった。

薬草の類、魔物の種類や出現場所、魔物と対峙したときの対処方法、冒険者についてなど。

魔法も初歩的な治癒ができる人だった。

魔力量は少ないから1日、5~6人がせいぜいだ、と言っていた。

そして、僕の現状を話すと考えが幾つかあるから少し待つように、と言われた。

「アルくんも気の毒にねぇ。貴族で前世持ちなら普通は苦労知らずになるはずなのに」

「どうして?僕、魔力のコントロールで苦労したよ?コップから家までいっぱい壊したよ」

「ん?知らないの?貴族だよ?前世持ちだよ?魔力多いでしょう。それなら国としては国外に出したくないから大事にされるのよ?普通に魔法士養成学校に通って魔法士団の出世コースね。もしかしたら国に探されてる可能性もあるわね。探ってみようか?」

「うーん、でも面倒なことになるのは避けたいな」

「わかった。じゃ、わたしができる範囲内で、こそっと調べてみるわ」

モニカさんは僕の頭をなでなでしながら言った。

モニカさんはなでなでするのが好きらしい。



そして、ルチアさん。

黒髪ミステリアス美人。おなじくお胸がけしからん。

「アルフレート、モニカに聞いたよ。魔力酔いしてるって?なぜ、わたしに言わない?悪い子だね」

おおぅ、後頭部にけしからん心地がする。なぜなら僕は今、ルチアさんの膝に抱きかかえられてるからだ。

ルチアさんは冒険者をしている。

前世持ちではないけれど魔力量がそれなりだ。

宮廷魔法士の道もあったのに冒険者をしている変わり者と言われている。(モニカさん談)

「魔法の行使に慣れてないなら、今度、わたしが街の外に連れて行ってやろう。多少の危険は、わたしが何とかしてやれるよ。思いっきり出せばいい」

ルチアさん、言い方...。

僕は後ろのルチアさんを見上げる。

「それは、とても助かります。ルチアさん、ありがとう」

妖艶美人。唇の赤色がお似合いです。

「だから、今度から、わたしに一番に相談すること。いいね?」

ルチアさんは僕のお腹に回している腕をぎゅっとする。

おおぅ、お胸が。気持ちいい。けど少し恥ずかしい。

ルチアさんは、一瞬固まった僕を面白そうに「どうした?」などと僕の顔を覗き込むようにする。

わかってる。わざとだ。

僕が恥ずかしそうにするのを見るのが楽しいらしい。

いくら前世女でも美人のお胸は動揺しますよ...。しかも立派なんですもの。



そしてそして、マリアさん。

赤茶色の波打つ髪が美しい美人というより可愛い系。

男の庇護欲をそそる、というヤツだろう。ここの司書がマリアさんのことを好きなのは図書館に良く通う人たちの間では有名だ。

ちなみに、お胸は普通。

彼女は宮廷官僚を目指している。

難関職種と言われているだけあってマリアさんは、勉強熱心で官僚向けの学校でもとても優秀らしい。(モニカさん談)

マリアさんは僕が魔法士養成学校を目指していると知ると、いろんな本を勧めてくれた。

それらにハズレはない。

分からないところがないか聞いてくれるし、教えてくれる内容は、とても分かりやすい。

「アルくんはエラいねぇ」

そう言いながら僕の頬をつんつんしたり指の甲でさするのが好きらしい。

まぁ5歳児のほっぺはいいよな、うん、わかる。



そんなわけで美女3人に構われているときの周りのヤロウ共の目が嫌だ。

羨む目。いやらしい目。僕を男の子と知っているヤツは睨む目。

...そう。僕は天使な見た目から女の子と思っているヤツがいる。

モニカさんとマリアさんからも最初は女の子と思われていた。

僕くらいの年の平民の子供は大抵キュロットみたいなものを履いてチュニックみたいなものを被るように着ていて男女の区別は服の色くらいだ。

それだって何色だから絶対女の子、とか男の子、と決まっているわけではないので中世的な顔立ちの子は男女の区別がつきにくい。

それにしても“僕”という一人称を使っているのに「周りに男の子しかいないのかな」程度にしか思われていなかったとは。


そんなにか!?


とりあえず僕を女の子と思っていそうなヤツにいちいち訂正していない。

その方が都合良さそうだからだ。わりーか。




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