この世界にも腐女子っているのかな
PC復活、か?
もうすぐ陛下の生誕祭である。
そのイベントとして様々なことがあるのだが、魔法士養成学校も最高学年の僕たち5年生が魔法披露をすることになっている。
どんなことをするか今の時間で決めていたのだが僕とリリーロンド殿下をメインにした演劇を魔法で魅せる、ということになった。
僕と殿下の意見(反対)は圧倒的多数(数の暴力)に屈した。
演劇と言っても最初から最後までやるわけではなく広く知られている劇のクライマックスを演じているところを魔法で魅せることになっている。
問題は劇だ。
世界が変わっても王子とお姫様のスタンスは変わらないのだろうか。
悪い魔法士に攫われた王女を婚約者の隣国の王子が助ける、という勧善懲悪モノ。
勧善懲悪は好きだ。シンプルは良い。わかりやすい。
だが王子役に殿下、お姫様が僕、なのだ。
お姫様役に僕がピッタリ、ということは認めよう。
王子役も殿下はピッタリだ。
殿下は少しずつ、でも確実に少年の域に入り王族らしく威厳も備わってきて、ますます前世の好みそのものになりつつある。
国王陛下が退位し、殿下の父である王太子殿下が即位すれば殿下が王太子に立太子することになるはずだし。
まぁ何が言いたいかと言うと普通に接している分にはいいんだ。
ただ、演技するとなると、かなり接近することになる。
.....ちょっと動揺しないでいられる自信がない。
だって前世で(おそらく)やってた乙女ゲームにでてくる王道キャラに似てんだもん!
最初は、王子様キャラそのまんまだな~、くらいの印象だった。
でも大人に近づくにつれ、誰かに似てるな、と思って思い出した。
思い出さない方が良かった。
思い出さなければ変に意識しなくて済んだかもしれないのに。
練習や準備が始まって忙しくなってきた。
そんな中でも試験はあった。
準備に追われていて、あまり勉強できなかった。
5年生の、このタイミングの試験は毎年良くないそうで、僕も初めてひやひやした試験だった。
もちろん実技は問題ない。
座学の方だ。
難しいというより問題数の多さに辟易した。
最後の問題にたどり着けない人続出だった。
知っていて最初から試験に対してやる気のない人もいた。
「この試験はいいんだ。パスできるなんて考えてない。5年は他5回の方に力を持っていった方が効率的だ」
だってさ。
殿下もパスできなかったようだ。
僕?
ふふふ。もちろんパスしたとも!
まぁ殿下と一緒に卒業しろ、て言われてるから9歳で卒業は、かなり難しいかも...。
ところで演技指導でプロが来てくれることになった。
「そのうちの1人が問題アリなのよ。ユリウスさんにはなるべく近づかないで。その人、美少年好きで有名なのっ。アルフレート様が男の子とバレたら大変だわ。幸い、学校内でもアルフレート様を女の子と思ってる人は多いし、わたしたちで守れば何とか済ませられるはずだわ」
「役割を決めて計画的に動きましょう。指導の間、アルフレート様を1人にしない、これが鉄則だけど、そうもいかないこともあるかもしれないから対処を考えないといけないわよね」
「でもユリウスさんたちが来る日まで2日しかないわ」
「1日中、てわけじゃないもの。その時間だけ守れればいいのよ。あせっちゃダメ」
「アルフレート様も1人にならないように気をつけてくださいね。できれば、あたしたちの誰かが一緒にいられればと思うけど、無理なら男の子でもいいわ。殿下の傍もいいと思います。王族の前で無礼なことはできないと思うし。多分」
「気をつけてくださいねっ!慎重すぎるか、と思うくらいでもいいと思います」
「本当に危険な人なんです。ある意味、女性の敵なんです。絶対アルフレート様は、あっちに行かないでくださいねっ!?」
...お、おぉ。
すごい熱量に、こくこくと頷いたのだった。
ユリウスさんというのは僕も顔と名前くらいは知ってる。
前世でいう芸能人みたいな人だから。
でも、美少年好きということは、そっか、そーゆーことなんだね。
だってユリウスさんて男の人だから。
まぁ美青年と言えるだろう。色気のあるナルシストのイメージで前世の僕の好みからは外れている。
今の僕の感覚では特に何とも思わない。
ま、大丈夫だろ。
女の子たちが守ってくれる、て言ってるし、本当に女の子のフリしてよっと。




