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交渉術



魔法士団の派遣依頼を受けてから先輩(マリオン・カッセル男爵令嬢)とよく会うようになった。

先輩は最高学年だから授業などで会うことはないんだけどランチタイムとか休憩時間、放課後に本当によく会う。


あ、ほらね?

柱の向こうに先輩発見。

でも話しかけてくることは少ない。

なんなんだろ?

僕から話しかけてみようかな。


あれ?

ちょっと目を離しただけなのに、もういない。

ま、いっか。どうせ、また会うよね。



「あ!アル!?」

横道から呼ばれて見ると近所の女の子たちがいた。

魔法士養成学校に入学してから遊ぶ機会も減って、少し久しぶりな感じだ。

養成学校は貴族が多いせいか大人びた子が多い。

まぁ年上も多いんだけど、近所の子たちだって年上がいる。

けれど近所の子たちは年相応な感じの子供らしさがあって、どこか微笑ましいというか、ほっとする。

前世持ちのため精神年齢高めな僕にとっては少しくらい年上でも本当に子供だ。


「アルくんっ、久しぶり!制服姿、初めて見る!格好いい!」

「アル、久しぶりね。学校で変なヤツに絡まれたりしてない?嫌なことされたら叫ぶ、逃げる、あたしに言う、を守ってる?」

「何よそれ。いつの間に、そんな約束してるの?」

「アル。ここはうるさいわ。行こ?帰るところなんでしょ、送ってあげる」

「は!?何勝手なこと言ってんのよ」


「あー、あのさ、僕、送ってくれなくても大丈...」


「ねぇ、抜け駆けって言葉知ってる?」

「知らなーい」

「抜け駆けって嫌われるのよ」

「それっぽいこと言って守ってあげるフリして近づこうとするのが嫌われるのよ」

「アルくん困ってるよ。可哀相...」

「「...ちっ」」


「もう外は寒い時期だし早めに帰った方がいいよ。僕も帰るから。じゃぁね...」

「「「えーっ!」」」

「せっかく会えたのに」「制服姿、もっと見たい」「あんたたちがうるさいからよ」「あたしはうるさくしてない」「また困らせちゃうよぉ」などと始まったので少しだけ、という約束で家に連れて行くことにした。


はぁ。

これってモテてるんだと思うけど前世でモテた記憶がないし今世も、まだ7年しか生きてない僕に、こういうのを上手くあしらうテクなどなく...。

子供なんだし、少し自分を犠牲(エサ)にして、みんな仲良くね。という方法しか思いつかない。



◇◇◇◇◇◇◇◇



久しぶりの登場、8歳になったリエルです。

あたしの恋は継続中。


今日、友達と遊んでいたら偶然、学校帰りのアルに会えた。

制服姿のアルは初めて見る。

わかってることだけど、やっぱり格好いいわ。

送ってあげる、などと言って手を繋ごうとする”さり気に女”の手を叩いてやったわ。

普段は友達だけど、この瞬間は敵よ。

アルのことを”アルくん♡”などと呼んで、さりげなく”あたしはアルくんの味方♡”を刷り込もうとする”小賢しい女”も敵よ。


はっきり言って、こっちの方が手強いわ。


結局、全員でアルの家にお邪魔させてもらうことになった。

結果良ければ全てヨシ、てね。


アルの家でローブを脱いでもらって、よーく見て来たわ。

少し恥ずかしそうにしているのが、また良い。

小賢しい女が「魔法士養成学校の制服って憧れるよねぇ。でも、わたしは魔力ないから一生無理だなぁ。いいなぁ。着てみたかったなぁ」とか言うからアルが「ローブで良かったら羽織ってみる?」なんて言って小賢しい女の後ろに回って羽織らせたときには殺意が芽生えたわ。

まぁ、その後、あたしとさり気に女も「いいなぁ」を連発して着せてもらったけどね。

でも、小賢しい女め。

「わたしが着せてあげるぅ」とか言って着せてくるんじゃないわよ。

あたしだってアルに着せてもらいたいっつーの。

もちろん?

ローブを奪ってアルに渡しながら「着させて」てお願いして着させてもらったけどね。


本当に小賢しい女。

「えー、わたしが着せてあげるのにぃ」とか言って、わたし悲しい、て顔すんじゃないわよ。

あたしを悪者にするつもりなのはバレバレよっ。

すかさず「アルに着させてもらいたかっただけなのに...」と、もっと、わたし悲しい、て顔をしてやったわ。

その時の小賢しい女の顔、アルに見てもらいたかったのにアルは、あたしを見ていたし小賢しい女を見る瞬間には、「そうだったの?ごめんねぇ」と言っていた。

くっ。勝てた気がしないわ。


でも、アルのお家にお邪魔してアルの淹れてくれたお茶を飲めたしアルの匂いがするローブをアルに着せてもらったし、まぁまぁね。


だけど、一番の収穫は”虹の会”のメンバーになったことかしら。

アルの家を出て帰る途中で女の子たちに声を掛けられて話を聞いた。

最初は、そんな会のメンバーになるつもりはなかったんだけど魔法写真とかいうアルの精巧な絵をくれるっていうから、ついメンバーになってしまったの。

さり気に女と小賢しい女もメンバーになった。


小賢しい女は、やっぱり手強いわ。

「えー、これだけで、そんな制約のあるものにはなれないよぉ。わたしたち幼馴染だもん。近所だから一緒に遊ぶことだってあるしぃ。ちょっと無理かなぁ?ごめんねぇ?」

とか

「その制約を守ろうとするのは、わたしたちには、ちょっと厳しいかなぁ?アルくんだってわたしたちが突然よそよそしくなった、て感じると思うよぉ?ちょっと無理があるってわかるよねぇ?アルくんに相談してみようかなぁ?」

などと言って(脅して)魔法写真1枚だったのを5枚にさせて、制約も緩いものになった。


...こいつヤバくね?




マリオン先輩は魔法写真を公開することにして荒稼ぎしているようです。

アルフレートの良い瞬間を写真にするために付け回しているようです。

妄想写真も作れなくはないのですが出来が全然違うようでアルフレート的には幸いです。

虹の会は制約があるみたいです。

ローザお嬢様の意思を感じますね。


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― 新着の感想 ―
[一言] 更新ありがとうございました(^^)アル君の天然無自覚イケメン具合が最高でした(≧∀≦)てか、女の子達に本当にモテモテ(≧∀≦)癒されました。
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