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【本編完結】50歳の何でも屋、セカンドライフは魔王城~今度の依頼は国再建! 異世界バーガーで追放勇者を弟子にしました~  作者: おっさん5963
第十二章 世界は因果なものよのぉ

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第百六十九話 ロマンとは男と切っては切れないものだ

突貫ではあるが、どうにか形になった。


さしずめ『ギガント改二』というところか。


魔王国の街では、

今日も人々が忙しなく行き交っている。


通常運行となった縦列魔導大車団は、

いつの間にか乗客達から

『サーペンター』と呼ばれるようになっていた。


俺たちはそんな街を抜け、

試運転の為に大きな用水池まで移動した。


俺はギガントに乗り込むと、

そのまま池の中へと沈んでいく。


『ザザッ……師匠……見えなくなった……問題ない?……ガッ』


「おう、順調だ。

水漏れもなければ呼吸も問題ない」


そこまで深くはないが、

気密テストとしては十分だろう。


俺はギガントを水から出すと、城へと戻った。


「八起殿、お帰りなさいませ。

試運転はいかがでしたでしょうか?」


「ああ、呼吸にはまるで問題なかったよ。

やはり魔法はすごいな」


「恐縮です。それにしても……この世界は広いですね。

この空のさらに上に、宇宙というものがある。

私も一度、見てみたいものです」


「じゃあ、行くか?」


「へ?」


「ゼフェルには日頃から苦労ばかりかけてるからな。

元凶の最後を見届ける権利はあると思うぞ?」


俺はすぐさま、

メルたちにゼフェル用のスーツを追加で頼みに行った。


――そして、出発の朝が来た。


「おはよう、ゼフェル。朝食は軽めにしておいてくれ。

俺も初めて行く所だから、何が起こるか分からん。

密室で吐かれたりしたらと思うと、恐ろしいからな」


「わかりました。

八起殿の教え、しっかり心に刻んでご一緒いたします」


「あ、あとトイレも忘れるなよ」


俺はニッと笑い、親指を立ててゼフェルに向ける。


庭に出ると、すでにギガント改二の準備は整っていた。


「ええっと……投棄用の箱が二つあるんだが、

これは?」


「この国の元大臣です!

このセクハラ大臣も一緒に捨ててきてください!」


ルナリアが心底不機嫌そうに言い放った。


(あ、あのじいさんか……つまるところ、

魔王国の二大元凶ってわけか……)


俺はギガントに乗り込むと、

ゼフェルへ向けて手を差し伸べる。


「このゼフェル、八起殿の深謀遠慮の一端を垣間見れること、

光栄の至りです」


だが、言葉とは裏腹に、

どう見ても顔が真っ青になっている。


「大丈夫か?体調不良ならやめておくか?」


「いえ、そうではないのです。

その……高い所が少々、苦手でして……」


知恵者として未知への興味はあるが、

精神がついてこないというところか。


「ゼフェル、よく聞いてくれ。

初めての体験は誰にとっても怖いものだ。

だが、未知の世界へのあこがれは、

男の子として絶対に捨ててはいけないものだと思わないか?」


俺は、自分が宇宙に行ける事の興奮で、

おかしな熱血説得を始めていた。


状況を見かねたルナリアが、

無言で恐怖耐性の魔法をゼフェルにかけるのだった。


いよいよ出発の時。


俺たちは見送る面々に手を振ると、

ギガントに魔力を流し込む。


(あ、あれ……。前回と吸われ方がおかしい……)


ふと、視線を向けたその先には、

自信満々に親指を立てて腕を突き出したメルとボックンがいた。


(あいつ何かしたな、戻ったら覚悟しとけ!)


魔力路は豪快に、そして繊細な響きを奏で出す、

いつでも行けると言っているようだった。


俺たちは宇宙に向けて出発した。


軽めの加速から徐々に速度を上げて雲を抜け、

やがて青かった空は、星々が瞬く世界へと変わっていった。


「ゼフェル、大丈夫か?

見れるようなら下見てみろ、凄いものが見れるぞ」


ゼフェルは恐る恐る下を見ると、

あまりの景観に絶句した。


「っ!……八起殿……これが我々のいる世界なのですか?」


「ああ、そうだ。数ある星の中のその一つだ」


「か、体が軽くなっていきます!」


「いよいよ、無重力だな。

加速するから、しっかり体を固定しとけよ」


俺は投棄の為に速度を上げる。


「そろそろいいかな。離すぞ」


ギガントを減速させると、二つの柩はグングンと離れていく、

そして漆黒の闇へと消えていった。


「おわったな。戻って飯にしよう」


俺たちは初めての宇宙に感動しながら、

我らが国へと帰還するのであった

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