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騎士宣言しました。

今回は短めです。


 ティーガン家は今久しぶりに家族全員揃って夕食を食べている。お父様、お母様、お兄様と私で穏やかで楽しい会話をしながらの食事はとっても美味しい。


 お兄様を連れてくるのは大変かと思ったけど、誘ったら仲のいい両親と私に驚きつつも二つ返事でOKしてくれた。ええ、全くもって意外すぎた。


 さて、せっかく家族が揃ったことだし私も本題に入ろうかな。女騎士を目指すにはやっぱり家族、特にお父様の応援と協力が必要だし、話すなら早い方がいいもんね!鉄は熱いうちに打てと言うしね!


「お父様、お母様、お兄様、私とっても大事な話があるんです」


 私が妙にかしこまって言うもんだからみんな何だと言うばかりに私を見つめてくる。


「実は私、女騎士になりたいのですっ!」

 片手にガッツポーズできめた私。これは結構かっこよく?言えたんじゃないか。


 ・・・・・・そんなことを考えてるとも知らず当然家族のみんなは驚きで唖然としている。


「……はい?女騎士だって?いきなりどうしたんだイベリア。前は王子様の妃になりたいとあれほど騒いでいたじゃないか」


 記憶を思い出す前は妃になりたいだの、婚約者になりたいだの散々言っていたのは覚えている。でもまさかずっと会っていないお父様まで知っていたなんて…当主としては当たり前なんだけど、今回ばっかりはめんどくさい。でもここだけは絶対に譲れないのですよお父様!!


「それにイベリア、騎士になるのは大変なのよ?ましてやあなたは貴族の子女、そう簡単になれるものではないわ。婚約だけじゃなく、結婚だって…あなたどうするつもりなの?」

「それでも、ですお父様、お母様。確かに前は王子と婚約したいと思っておりましたが、今は騎士になりたいのです。王子との婚約は()()拒否させて頂きます。それに結婚の方も騎士になれば問題は要りません。ただの貴族の令嬢となれば問題ですが、騎士にはあまり関係がありませんもの。これは安易な思い込みじゃなくて、私はちゃんと決意したのです!だから、どうか騎士になる事をお許し頂けませんか?」


 精一杯の語彙力を駆使して絶対に婚約はしないぞ!と騎士になる!という決意を伝えてみたものの、お父様、お母様はまだ戸惑っておられる様子。そりゃ当然よね。お兄様は食事が始まってからずっと無言を貫いている。


「イベリアの意思は分かった。だがどうして騎士なんだ?お前とは縁遠いものだっただろう?」

「いいえ、お父様。私だってれっきとした公爵令嬢ですもの、騎士の方ぐらい何度もお見かけしています。その時に、えと…こうピンッときたのですわ!」


 ー・・・・・・そろそろ〜と明後日方向を向きながらあからさまに適当な理由を述べるイベリア。お父様からの疑いの視線が痛いがここで負けてはいられない。嘘も貫き続ければ真実になるのよ!負けるな私!オタクの本質は粘りと根性よ!


「はぁ〜〜、どうやら意思は固いようだ。確かに我が公爵家は今でも十分な力を持っているから何も必ず王子と婚約したい訳じゃないから、そこは別にいい。だが、騎士になりたいと言うのならば・・・6年だ。10歳までに私に剣の腕を認めさせなければお前には婚約してもらうぞ」

「本当ですか?!!」

「あら、旦那様、そんな事を約束してよろしいの?本当にイベリアはあなたを認めさせてしまうかもしれなくてよ?」

「その時は別にそれでいいだろう。この夢を応援するのもまた親の務めだ。それに私とてそう簡単に認めるつもりはない」

「えぇ、ええ!ええお父様!私頑張りますわ!絶対にお父様を認めさせて見せます」

「頑張りなさい」

「はいっ!」


 そう宣言して、私は密かに…いやかなり分かりやすくメラメラと闘志を燃やしていた。


 ーーやっと、やっとこれで騎士道への一歩ね!必ず認めさせて憧れの騎士になってやるんだから!そして死亡フラグ回避よ!覚悟していてくださいませ、お父様!ふふふふふ、と周りが見たらかなり不気味な様子ではあったが、両親は微笑ましそうに見守っていた。かなりの親馬鹿である。


 終始(イベリアのきし宣言を除いて)和やかであった夕食もそこそこに、イベリアは休むために部屋に戻った。


「リリ、明日から鍛錬を始めるから今日はもう休むわ。リリも今日は協力してくれて…友達に、なってくれて……ありがとう。明日もよろしくね!おやすみなさい」

「いいえお嬢様あれくらいの協力でしたら何時でもいたしますよ。ええ、また明日もよろしくお願い致します。おやすみなさいませお嬢様、よい夢を見られますよう」


 そう言って、リリは部屋から下がって行った。

 明日から本格的に行動を開始するのだ、今日は色々あったし何も考えずただ寝ましょう。あぁでも、お父様とお母様の親馬鹿はどうやって直そうかな……


 そしてイベリアの一日目は終了した。










ええ、昨日週一投稿と言いましたが、気まぐれでもっと投稿するかもしれません!


せっかく出てきたお兄様、まったく存在がなかった!これから存在感増すはず…

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― 新着の感想 ―
[一言] とっても面白かったです! 次もお待ちしてます!
[一言] 女騎士ってかっこいいですね! 早く次のお話読みたいです!
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