第3章 太陽
「あたし…デビュー決まったんだ!!」
瑠美がデビューが決まったと喜んでた。
でも俺は素直に喜べなかった…
勝手に瑠美のデビューが決まったら
この関係を終わらせようと思ってたから…
「……良かったじゃん。おめでと」
今日が最後のsexだ…
いつもより強く抱きしめて
いつもよりたくさんキスをして
いつもよりたくさん“印”をつけて…
そんなことしか出来ない俺…
情けねぇや…
つーか…言わなきゃな…
「なぁ…俺らの関係もう今日で終わりにしよう。」
瑠美が体を小刻みに震わせ、泣きそうな声で
「なッ…んで?」
と尋ねた。
「その方が瑠美の為だろ?いつまでもセフレなんかやってたら、ダメなんだよ」
瑠美は更に体を震わせた。
きっと泣いてるんだろう。
「…ッやだよぉッ…そんなのッ…」
最低だな…俺。
「…泣くなって」
俺は後ろから瑠美をそっと抱きしめることしか出来ない…
瑠美にとってこれから、俺がいることで面倒なことになったら困る。
瑠美には音楽活動に専念して欲しくて…
俺さ、最初から瑠美のこと愛してたんだ…
だから前に瑠美が“付き合って”って言った時は
正直、すげぇー嬉しかった。
でも俺はひどいこと言ったかもな。
“繋ぎでいいなら”
瑠美がそんな軽い気持ちで言ってないって事は分かってたんだけど…
俺から瑠美が離れていく時に
自分が辛くなんねぇようにしたんだよね。
自分のために…
瑠美は
“じゃあ、やっぱ止めとく。
これからちょくちょく小さなライブハウスでライブやるから忙しいし。”
って無理して笑ってたな…
あの時俺から言ってやれば良かった…
“愛してる”
って…
もう…
瑠美の向日葵みたいに明るい笑顔は見れない。
俺を元気付けてくれる
魔法の笑顔…
失って
かけがえのない事に
ようやく気づいた。
“瑠美に逢いたい”
でも…
瑠美はもう俺なんかに逢いたくねぇよな…
それでも逢う方法…
逢える場所…
ライブだ!!
検索すると明後日の夜だった。
デビュー前のイベントみたいなやつか。
他どうでもいいけど、瑠美に逢う一番いい方法だ。
瑠美が俺を見なくたっていい。
瑠美と話せなくてもいい。
ただ瑠美の向日葵の様な笑顔と
あの声が聴ければいい。
瑠美…
今も歌っているんだろうか…
早く瑠美出て来ねぇかな…
どうでもいいんだよ。
他の奴らなんか。
まぁ…
リョウとかいう奴はましだったな。
あ…瑠美だ。
うわっ…
瑠美のバラードやっぱやべぇよ…
なんか痺れるってか
訴えられてる感じになるんだよな。
♪すれ違った人の匂いや 季節や景色
どこにいたって 何をしてたって
君のことが頭から離れない
こんなにも君を想うだけで
苦しくて愛しさ募る気持ち
…ん??
今瑠美と目合ったか??
…気のせいだよな。
つーか…
やっぱ最高だわ。
先行販売やってるらしいから買って帰ろう。
もう俺はこういう形でしか瑠美を応援できない。
もう一度だけ
瑠美の顔を見て帰ろう。
外で待ってみて
出来たら声でもかけよう。
“すげぇ良かった”
って…




