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第1話:正円の呪い①

「おい、マジかよ...」

 漆黒の闇に包まれた漁港で、幕張純(まくはりじゅん)(26)は途方に暮れていた。彼は海で釣りをしていたのである。今日は波も穏やかで、海釣りには申し分のない筈だった。

 しかし、彼の右腕には正確な円が、腕に刻まれていた。まるで機械で彫られたような、完璧な円。これは何の仕業なんだ。魚がやったとは到底考えられない。誰かがやったのか? でも周囲には人影などある訳がなかった。ここは片田舎の漁港だ、夜の人通りなんて殆ど無い。漁師の皆も見かけなかった。

 呪い、という言葉が彼の脳内を駆け巡る。必死にそれを否定しようとするも、腕の痛みが消えないのでそう考えるしか無かった。

「嘘だ、きっと嘘だ」

 彼は整った円形の傷から滴る血を眺めながら、髪を掻きむしった。

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