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覚醒

最近、投稿できなくて申し訳ありません。

では、お願いします。

 甲子園への道を一歩ずつ歩んで行き、遂に準決勝の杉沢高校戦を迎えた。

「興津さん、この試合抑えて決勝行きましょう」

 トーナメント表を見ると、最も大きな山はこの、杉沢高校だと思う。俺たち弱小にとっては全てが山場ではあるんだが、特にな、特に。

「あぁ、海野の出番が無くなる位抑えてやる」

「それは、困りますよ。1イニング位お願いしますね」

「まぁ、どうであれ本気で行くだけだ」

「そうですね」

 今日の先発は興津さん。甲子園にも出たことがあるこの人なら強豪との、戦い方も知っている。

 きっと、抑えてくれると思う。だが、相手も強豪だ。そう簡単に打ち取らせてはくれないだろう。ましてや、俺の場合130そこそこのヘボストレートだ。どう、抑えるかはしっかりと考えなければな。


 そして、遂に試合開始時刻を迎えた。

 俺たちは先攻。相手投手は3番手ピッチャーだ。

 そして、7球の投球練習が終わり、俺たちの攻撃に入った。

『1番、ショート、狭川君』

 1番の狭川が打席に入る。

 そして、ピッチャーが初球を投げる。

 初球は外角低めの138キロの真っ直ぐ。

「ストライク!」

 審判が手を上げた瞬間、歓声が響く。完全にアウェイじゃないか。ここまでのアウェイは甲子園でのタイガース戦でも味わったことないぞ。

 この雰囲気は俺以外味わったことがないため、ベンチは静まりかえっている。

 これで、完全に初回から向こう側のペースじゃないか。

 そして、狭川に対する2球目。今度も外角低めの真っ直ぐ。

 狭川はそれを打ちに行く。そして、真芯をとらえるも。セカンド正面のゴロでアウト。2番、3番は何もできずに三振し、3人で終わった。

 

 そして、守備につく。先発は興津さん。投球練習を終え、相手の1番打者が入る。

 そして、初球を投げた。ミットに届いた瞬間に、まるで爆発音のような大きな音が球場に響いた。

 そして、審判が手をあげる。

「ストライク!」

 バックスクリーンには158と出る。初球から飛ばしすぎだろ。そんなことを、思っていながら、一塁側を見ると、相手校のスタンドは、一瞬唖然としているように見えた。興津さんが150オーバー出すのは、知っていただろ、なぜ、そんな驚く。

 そんな疑問を吹き飛ばすように、150オーバーを連発した。

 こんなに投げるなら驚くわな。

「ナイスボール!」

 試合に出ていない俺はベンチで声をだす。

 それでも強豪の応援にかきけされて、聞こえていないかもしれない。

 そして、興津さんは相手になにもさせずに、三者三振で抑えた。

「ナイスピッチ!」

 ベンチで興津さんを迎える。そして、円陣が終わったあと、俺とアルバートが興津さんに呼ばれる。

「どうしたんですか?」

 興津さんがベンチにグローブをおきながら俺とアルバートに向かって言った。

「俺は、初回からガンガン飛ばして行くから、早めに準備しといてくれ。頼むな」

「わかりました。なんなら次の回から行けるくらいやっときます」

 俺がそう軽口を叩くと、興津さんは笑って答えた。

「それはやりすぎだな」

 そして、俺たちの攻撃。

 四番の仲里から始まる。

「まず、先頭出すぞ!」

 俺はチームが先制することを信じて、声を出す。

 しかし、空振り三振。

 次は五番の岡崎。岡崎はとにかく粘った。真っ直ぐも、変化球も器用に対応して、15球ほど投げさせたが結局ショートゴロ。

 その後も打線が続かず、0で終わった。

 そして、4回の裏。杉沢高校の攻撃。

 1番打者からの攻撃。

 興津さんは四球で先頭を出してしまった。

 そして2番打者が送りバントを決め1アウト2塁のピンチを迎えた。

 そして、3番打者が打席に入った。

 3番はプロ注目のスラッガーで、チャンスに強い。

 そして、その初球。アウトコースいっぱいに真っ直ぐを投げ、ストライク。

 2球目はもう一度同じところに投げ込む。

 しかしそのボールはバットの芯に食いレフト方向へ高い弾道で飛んでいく。

 そして、そのボールはギリギリポールの横を抜けてファール。

「あぶねー」

 ベンチで見てた俺は思わず口に出した。

 興津さんはポールの方を向いたまま、固まっていたが、またホームベースへ向き直る。そのとき、興津さんはこれまで見たことのないような、闘志に燃えた目をしていた。

 そして、3球目。

 興津さんが投げたボールは初球とは比べ物にならないくらいの速さでミットに乾いた音とともにおさまった。

「ストライク、バッターアウト!」

 インコースいっぱいに決まり見逃し三振となった興津さんの渾身のストレート。それを見た人たちの中ではまたざわめきが起こる。

『160』

 そして、球場の時が止まった。

ありがとうございました。

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