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夏大始まる。

今回もお願いします。

 先生からエース交代を言われてから少したった。

 実際は不服だ。だけど、興津さんの方が俺より良いボールを投げてるのは事実だ。俺に実力がないのが悪いだけだ。

 それから毎日練習を重ね、遂に夏の大会を迎えた。

 主将の俺は抽選会に行き、くじをひいた。

 俺は深く息を吐き対戦相手を見る。

 相手は寺島高校だった。

 先生は初戦の先発は俺で行くと言っていた。ここはしっかり勝たなければならない。興津さんを甲子園に連れて行くんだ。

 寺島高校とは一度試合を行っている。あの時は完璧に抑えたが今となっては抑えられるか分からない。油断せずしっかり投げきることが大事だ。

 この日から俺たちは最後の詰めの作業に入った。俺たちの試合はなんと、テレビ中継されるのだ。だから下手な試合はできない。連携のほころびは確実に無くさなければならない。

 そんな隙は一瞬で突かれる。そこから崩され負ける。そんなことは俺は体験済みである。

 とにかく、勝つ、それだけを考える。

 俺はブルペンに向かった。



 そして、遂に初戦を迎えた。

 俺たち三重県の出場校は60校ほど、たいして多くないが少なすぎるわけでもない。だが、かなりの強豪が2校あり、いつもそこで甲子園争いをしている。

 今回は5回勝てば甲子園に行ける。だがしっかり目先の試合に集中する。

 


 そして、整列がかかった。流ヶ丘高校の初めての夏が始まった。

 

 先発は俺。7球の投球練習を終えて、先頭バッターが入る。

 審判のプレイの合図と同時に甲子園のものよりも少し音が高いサイレンが鳴り響く。

 初球の岡崎が出したサインにうなずき。第一球を投げた。

 初球はアウトローの真っ直ぐ。今日は調子が良い。この日のために調整してきたのだから当たり前だが。

 もう一度真っ直ぐをアウトローに入れる。これで0ボール2ストライク。最後はインハイの真っ直ぐで見逃し三振を奪った。

 ここから波にのり初回は三者凡退に打ち取り、上々のスタートをきった。

『一番、ショート狭川君。』

 そしてこちらの攻撃。先頭はチームで一番の出塁率と走力を持つ、狭川。さらに、狭川がノーアウトで出塁した時はほぼ必ず得点している。俺たちの打撃の流れは狭川が握っているといっても過言ではない。

 そして、狭川の初球。アウトコースの真っ直ぐをサード方向へセーフティバントをした。50メートル5秒台の俊足をとばしてセーフになった。

「ナイスバント!」

 先頭が出たことでベンチは盛り上がる。

「半田!繋げよ!」

「打ってけよ!」

 ベンチは先制点に向けて盛り上がる。

 そして半田の初球。狭川がスタートをきり。盗塁を成功した。初回にノーアウトランナー二塁のチャンスを作った。

 そして、2球目。半田はライト前ヒットを放ち、狭川が生還。

 俺たちは初回に先制点をもぎ取った。

 

 そして三番の石川が打席に入る。その初球。完璧にとらえた打球は運悪く、ショートの真っ正面へ行き、ゲッツー。四番の仲里もレフトフライでこの回は終了した。

 さあ、先制点をもらったことだし、この回も0で行きますか。

 俺はグローブをはめ、マウンドへ向かった。

 俺はこの回も絶好調で、三人で抑えた。基本的には真っ直ぐ勝負でいっている。本当に自分のコントロールが良くてびっくりする。これ、毎回言ってんな。

 俺が三人で抑えても、打撃の方は沈黙している。無論、俺もだが。というか、俺がチャンスを潰している。この試合、4打席満塁で回ってきて、全て併殺にし、終わってみれば一人で15残塁である。何をしてんだか。まあ、打率0.00は伊達じゃない、ということだ。全くもって自慢できないが。

 結局そのまま1対0で試合は進み、最終回。ここで俺はアルバートと交代した。150キロ近い真っ直ぐが打たれるはずもなく、三者三振で最終回を終えて、見事試合に勝利した。

 20年ぶりくらいのこの感覚。勝利して、学校の校歌を歌うのは本当に20年ぶりくらいである。

 これでまずは一回戦を突破した。

ありがとうございました。


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