安倍晴明時空奇談ー運命の二人ー
都和香が台座の所へ近付くと、ラピスラズリと言う石で出来た橋が台座と繋がっていて
台座自体もラピスラズリで出来ていた。
橋の周りは、台座を囲む様に円状の池になっていて、綺麗な透明の水の中に水晶の玉が
隙間無く沢山沈んでいた。
余りの美しさに気を取られつつも、都和香は橋を渡り台座の上に横になりました。
都和香の後に続き、閻魔王がやって来ると、手に持っている巻き物らしき物を広げると
水晶の池の中に沈めました。
次の瞬間、池が眩しい程に光り出すと都和香自身を包み込み、都和香は気付くと自身の
身体を自身が浮いた状態で眺めていた。
「えっこれって私!?身体から抜け出して浮いている」
「都和香よ、これから其方は不動明王と共に不動明王が案内して下さる所へ行くのだ」
「そこで自身の前世の記憶を全て思い出して、戻って来るのだ。そうする事が長い長い
時の中で決まっていた事で、其方の中の内なる力を覚醒させる事となる。良いか?」
「はっはい。分かりました」
そう答えた都和香の元に不動明王がやって来ると、幽体となった都和香の手を取ると
一気に上へ上へと上昇して行った。
その後には、仮死状態の都和香の肉体だけが残されていた。
「閻魔王よ!本当に都和香は大丈夫なのですか!」
「まさかこのまま戻れない事は無いのでしょうね!」
「本当に都和香の事となると、しつこい様だが前が見えなくなる」
「安心なされよ、神界へ行って思い出してもらうだけじゃ」
「神界と言われたか?」
「そうじゃ、そしてこれから其方には都和香の横たわっている所へと行って、都和香の
手を取り、しっかりと繋ぎ放さぬ様にしていただきたい」
「そうすれば、都和香の手を通して其方自身にも、都和香の思い出した記憶が流れ込んで
来るはずじゃ。連動して其方も前世の記憶が、覚醒するはずじゃ」
「そっそうなのですか?分かりました」
そうして晴明は、言われた通り都和香の所へと行き、二人の前世を思い出す旅が始まった。




