安倍晴明時空奇談ー運命の二人ー
第四章 前世覚醒の章
都和香が不動明王に連れられ、どんどん天の方へ上昇し続けていると前方の方に
黄金色に輝く光りが現れ、その光りの中を進むと今度は荘厳な門が現れた。
その門の前に到着すると、門の左右から狛犬の様な大きな犬が現れ、門を守る様に
二人の前に立ちはだかった。
「これより先は神々が住まう神界なり。不動明王よ、仏の側の者が神の世界へと
人の魂と共に一体何用か?」
「この者は元はこの神界の住人であった巫女姫である。訳あって閻魔王とこちらの
神界の長の命により、われが案内役としてお連れした」
「急ぎ長に取り次ぎを願いたい」
「分かった。少し待て」
そう言うと、片方の狛犬が姿を消して、もう片方は、そのまま残り二人の様子を
伺っていた。
すぐに消えていた方の狛犬が姿を現し、それと同時に門が開かれた。
開かれた門の入り口には、出迎えの女人が立っていた。
「お迎えに上がりました。さあ、こちらへお入り下さいませ」
「はっはい」
都和香は言われるまま中へと入って行き、その後直ぐに門が閉じられ、見届けた
不動明王は役目を果たし、仏界へと戻って行った。
一方都和香は、女人に連れられ進んでいたが、門の入り口から続いていた雲の道から
急に水晶の小石が敷き詰められた道に変わり、驚いていると今度は前方に大きな
神殿作りの建物が現れた。
それはまるで、現在の世界では、神社や神棚の様な建物が連なり建っていた。
その中で、少し高い位置に建っている神殿の中へと案内された。
その建物の中を進んでいる時、都和香は初めてのはずなのに胸の中で何故か凄く
懐かしさを感じていた。
一つの部屋へ案内され、中へ入ると老人の様な人物が都和香を出迎えた。
「よう参られた。この時が来るのを待っていたよ」
「私はな、この神界・神仙界を取りまとめておる」
「しかし本当に久しぶりだな・・・」
「えっお会いした事がありましたか?」
「ああ、そうだった。そなたは覚えておらぬのに、つい懐かしくてな・・・すまぬな」
「そなたは今、現世名は都和香であったな」
「都和香よ、そなたは昔、この神界に住んでいたのだ」
「その時の記憶を今から思い出して貰わなくてはならない。時間が無いから少し
急がせてもらうが、心配しないで良いからな」
そう言うと長は、都和香の頭上に右手を置くと呪文を唱え始めた。
すると、都和香の目の前がまるで映画のスクリーンを見ている様に映像がどんどん
流れ始めたのでした。




