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やっと知ることができたモノ 9
ラシュフェーニカが途端に胸を締め付けられる想いになり、涙を零した。
ぱたりぱたりと、はたりはたりと、しゃがみ込み俯いたラシュフェーニカの目から涙が落ちる。
──なのに私達は…っ!
今まで誰もっ、アノ人に友達や家族として、接してこなかった…っ!!
これ程悲しいことなんてなかった。
アノ人は寂しかったのだ、悲しかったのだ。
心の底から、ずっと一人で涙を流していたのだ。
なのに誰も、ソレに、ソノ心に気づかなかった…。
ラシュフェーニカもそうだ。
想いを抱いていたのは自分で、
恋をしていたのは自分で、
友達であったはずなのは確かに自分なのに、
そんな自分ですら、アノ人に手を差し伸べて自らアノ人の手を握るなんてこと、してこなかった。
──確かに最高祭主という神聖なる存在を、忘れてはいけないけれど…っ
こんなの…っ!
こんなにも、悲しいことなんてなかった。
今やっと、今になってやっと、初めてアノ人の心の一部が分かった。
やっと知ることが出来た。
寂しかったのだ、アノ人は。
ただただ、寂しかったのだ。




