47/127
やっと知ることができたモノ 8
明は、親しい人を失くしていると聞いたことがある。
ソレ故に、心を閉ざしているのだと…。
でも、本当は、他にもあったのではないだろうか?
アノ時、明は一時でもカグヤとしての立場から離れて、明という存在──ただそれだけで祭りに出られた。
ソノ時のソノ表情は、今まで一度も見たことのない表情だった。
笑顔だったのだ、アノ心を閉ざしていた十八代目カグヤ様が…。
友達になろうと言った時、あまりにも怯えたソノ表情が、とても印象的に頭に残っていた。
二年経った今でも、ずっと。
友達になっても、それからも最高祭主──カグヤと、補佐の《四自然神》という立場は変わらない。
ソレが、ソノ見えなかった気づかなかった壁が、もしかしたら彼にとても寂しい想いをさせてしまっていたのではないだろうか?
本当は、親しい人を失くしていたアノ人は…、本当は誰かと近くに居たかったのではないだろうか?
物理的な距離ではなく、心と心という、暖かい距離が欲しかったのではないだろうか?




