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天火 ~ 廻りはじめた音 ~ 3
ラシュフェーニカが天を仰いだまま目を閉じる。
そして今度は両の手を、天へと仰ぎ、広げる。
するとラシュフェーニカの頭上、両の手の間に“火ノ花”が咲いた。
ラシュフェーニカの火が、ラシュフェーニカの姿と辺りをぼんやりと明るく照らす。
──アナタの言葉を思い出す…。
私のコノ、火の力が…、まるでアナタ自身を照らしてくれるようだ──と。
仰ってくださった言葉を……。
例え真っ暗な所で独りになっても、怖くないね、って…
そうぼんやり思っていると、脳裏にラシュフェーニカと友達になった頃のカグヤの笑顔と、それからの日々の柔らかな表情が過ぎる。
途端に、ラシュフェーニカの胸を、何かが大きくぎゅっと締め付けた。
──…寂しい……、
ソレが素直な言葉だった。
ラシュフェーニカの目から、涙が溢れる。
「アソコに会いに行ったら…、また巡り会えるかしら…?
アナタは、居らっしゃられるかしら…」
──けれども、私は…。
また扉を開けることができないのだと思う…。
「結局……、私は…、何も伝えられないまま…っ」
ラシュフェーニカがポツリ、とそう言葉を零し、視線を落とす。
そうして一瞬瞬いた後、ラシュフェーニカはハッ!と顔を上げた。
ラシュフェーニカの宝石のように美しい、菫色の瞳が大きく見開かれる。




