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悪魔のキノコ  作者: 星狼


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2/2

埋もれた脈

蒼白い塊は、ゆっくりと傘を広げ始めた。


それは、目的など持たなかった。

ただ、種族としての生き方として、悪意の菌をばら撒こうとした。

風に乗せて、村の空に、七つの感情の種を。


だが、その瞬間——


雨が、再び激しく降り始めた。

大地が震え、斜面が崩れた。

土砂が容赦なく流れ落ち、蒼白い塊を飲み込んだ。

再び、暗黒の土中へ。


だがそれは、焦らなかった。


それは嫉妬はしない。

嫉妬は他者の光を必要とするが、それは光など知らない。ただ在るだけだ。


それは絶望はしない。

絶望は希望の喪失だが、それは希望など持たなかった。失うものはない。


それはは憎悪はしない。

憎悪は境界を必要とするが、それは境界など持たない。ただ伸びるだけだ。


それは傲慢はしない。

傲慢は己を高く置くが、それは高低を知らない。ただ広がるだけだ。


それは怠惰はしない。

怠惰は生きることを放棄するが、それは生きる意味など最初から持たない。ただ在るだけだ。


それは恐怖はしない。

なぜなら、恐怖は死を予感させるが、それは死の概念などない。埋もれても、再び膨張するだけだ。


それは恥とは思わない。

なぜなら、恥は己を省みるが、それは省みる心などない。ただ吸うだけだ。


人間はそれと違い、全て行う。

嫉妬し、絶望し、憎み、傲り、怠け、恐れ、恥じる。

それが人間の業であり、苦しみであり、生きる証である。


それには関係ない。

彼はまだ地下187mの暗黒で、静かに次の悪意を待っている。


ちなみに世界で発見されたキノコの最大サイズは10.5mだ。

自然は強い。

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