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(3) ロイクス、紹介する

各々が夕食、酒、肴を買って三々五々、僕の借家に集まった。


今回のクエストに不参加だった、レスターとラディも家に居た。

レスターは防御型回復系男性魔法使い。

ラディは攻撃型女性魔法使い。

これで全員の紹介が済んだわけだが、うちのパーティは女性は全て攻撃型に近い。


男性陣から紹介すると、


巨漢マッチョなゴウヤは、紛れもなく前衛攻撃職ではあるが、あまり自分を主張しない。かなり無口だ。

このパーティの調理師担当という意外な側面もある。


レスターは、インテリ学者タイプだ。

得意なこと興味あることには饒舌だが、中途半端な憶測は決して口に出さない慎重派。


女性陣はと言うと、


サラは姉御肌。全員のアネゴである。

一番の年上なんだから仕方ない部分もあるが、10歳くらいの女の子(に見える)に怒られてペコペコする成人は、できれば知らない人間に見られたくない。


ラディは攻撃型魔法使いの真ん中にサディスト風を入れてもいい。弱い相手でも最大級の魔法をぶち込みたくてウズウズしている。敵が最後の1匹になると、何もそこまでしなくてもってくらい盛大な一発を喰らわす。無茶な暴走はしないので信頼はしているけど、獲物を売り物にならないくらい痛めつけるのは勘弁してほしい。


エリンは同じ前衛のゴウヤには常にライバル心剥き出しだ。今日のオーク戦でも、先に駆けつけて3匹ずつだったのが不満らしい。



カイル勧誘失敗は確かに痛いが、このパーティに不足しているのは、守りに徹した回復役の支援職だ。

カイルはあれだけの力があれば確実に攻撃型。

これ以上、支援型不足が露呈する前に諦めるのが懸命なのかもしれない。

一応は全員がある程度の回復魔法は使えるのだが、これだけ曲者揃いのパーティを支えるのがレスター1人では気の毒だ。



あ?僕のこと?

パーティの便利屋だ。前衛、後衛、支援すべてをやる。

足りてない所にすっと入って役割はこなせるが、すべてに際立ったところがない。器用貧乏なリーダーだ。



そんな風に、1人でまとめに入っていると、トム(ホワイトタイガー)とチェリー(ベブドラゴン)に食べ物を与えていたサラが話しかけてきた。(エサって言うと怒られる)


「カイルって、何者かしら?」

「あの若さであの強さは謎だね」

この場合の強さは、魔力などの強さではなく、オーク12匹に囲まれてそれを落ち着いてさばいてしまう強さ。

12匹を一瞬で魔法で葬ってしまう魔力持ちならば、まだ納得はできる。1匹ずつ倒して行ったのなら、その精神力の強さが計り知れない。

僕が1対1なら勝てる相手でも12匹に囲まれれば死を覚悟するだろう。


この世界は見た目では判断できない。エルフ族やドワーフ族はかなり長寿だ。その分、年少期が長い。

目の前にいるサラもそうだ。エルフやドワーフよりかなり希少種の部類だろう。アカデミーに入ってサラに会うまでミモラ族は知らなかったくらいだから。

サラに言わせると、エルフもドワーフも妖精の血が入っているという。その中でミモラ族はより妖精に近いと本人の談。まぁ、信じるしかないよね。下僕としては。


もしかしてと思ったが、サラに言わせるとカイルは探知ではほぼ人間だと言う。

人間なら、自分を基準に比べても間違いじゃないだろう。



「エリンはカイルが戦っているところ見たんでしょ」

サラの問いかけに一番乗りしたエリンが応える。

「うん。でもグラウンドスパイクをボコボコ生やしてるだけだったよ。ゴウヤの身長くらいあったけど」

「オレも見た」

グラウンドスパイクとは、地面から土の棘を出す魔法だ。

大きさ、数、硬さは魔法使い次第。数秒で崩れ落ちて消えるやり方もある。仲間がいるときは仲間にとっても邪魔になるから。

「それで倒してたのかな」エリンが言うが、ギルドで見た死体には、そんなものでぶっ刺した痕跡はなかった。


サラが「もしかしてエリンが近づいてくるの探知して防御に切り替えたとか?」と言う。

「だとしたら、ますます恐ろしいな」


今まで黙って聞いていたレスターが口を開く。

「優秀な血筋、優秀な師匠、という可能性はあります」

確かに残った推論はそれしかなさそうだ。


「ラディは聞いててどう思った?」

「んー、さっぱりわかんない」「サラが、人間かエルフなんかを見分けるのって…」

「長寿種って、体からでるオーラみたいなのがちょっとだけ違うんだよね」サラが答える。

「まったく未知の長寿種という可能性は?」

「それは否定はできない、かな」サラがちょっと考え込む。


結局、話はそれ以上は進まず、女性陣からバスタイムになった。



「レスターは、これ以上攻撃型メンバーが増えたら支援は大変になるかな?」

「通常の支援ならロイクスの補助があれば問題ない」

「前にも言ったことだが、望んでいるのは解毒のスペシャリストですね。私にできるのは人体内の抗毒作用を最大限にまで活性化させることだけ。それでだめなものはあらかじめ解毒剤や抗毒剤を用意しておく以外に方法はない」

「魔物なら毒の種類も推測できるが、対人戦で敵が武器に何の毒を仕込むかは見当が付かない。対人戦など起きないことを望むが、起きてしまったら私では対処できない」


現状で、冒険者の死因で非常に高いのが毒によるものだ。

戦闘中以外でも昆虫系、植物系以外からも毒に冒される可能性がある。


そんな時に臨機応変に対処できる経験豊富な治癒系の冒険者が、俺たちみたいな若いパーティに加入してもらうのは難しい。



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