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73 俺の戦場

「共に参ろう……対魔王軍の、最前線の戦地へ」


「……ん? え、ぇえええええ!?」


 アルティさんの発言に、思わず目を剥く。

 そういえば、今在国しているモルジアは、大国の中では戦場に最も近くに位置していると何処かで聞いていた。


「せ、戦場の最前線って……新入りの俺が行っていい場所なんですか……?」

「まぁ普通は死ぬな」

「えぇっ!?」


 さらりとそんな事を言うアルティさんに引きつつも、彼は微笑を浮かべて補足する。


「安心しろ。少なくとも初日は死なないさ。私達が守るからな」


 初日“は”という発言が気になるが、一旦呑み込む。


「ただ、直ぐに戦力にはなってもらうぞ。それが入隊の条件であるしな」

「り、了解です。頑張ります」


 戸惑いつつも了承し、頷いた後、一つ頼み事をする。


「でも、行く前に仲間と少しだけ話させてもらえませんか?」

「勿論許可する。が、すまないがあまり時間は取らせてやれないが……」

「分かりました。取り敢えず少しでも話せれば大丈夫です」


 フウマとショーゴに今の状況を話さねば。

 そう考えた俺は、二人を探しに宿を飛び出したのだった。








「って事で、俺ディッセル騎士団に入団することになりました」

「おぉー! やったなタクマー!」

「おめでと」


 俺達勇者三人組は、カフェみたいなとこのテラス席にて丸机を囲んでいた。

 外観は工場ばっかなので美しいとは言えないが、今日は天気がいいので外の席を選んだのだ。


「……あれ? ショーゴは事情知ってるからいいとして、急な報告なのにフウマは全然驚かないんだな」


 もしかしてここに集まる前にショーゴに色々聞かされたのかな、と思ったが、答えは予想の斜め上だった。


「いや……普通にタクマの部屋行こうとしたら騎士の駐屯所に入るの見かけてさ。僕も入れてもらおうとしたら立ち入り禁止って言われて……」

「え、そうだったのか……」


 俺達が気づけば一緒に頼んでいたところだが、間が悪かったのが悔やまれる。


「だから《透隠密(インビジブルハイド)》使って勝手に入っちゃった」

「いやダメだろ!?」


 俺のツッコミも意に介さず、フウマは話を続けた。


「それで中入ったら知らない人とタクマが戦っててさ。試合の後、その場の人達の話とか聞いてる内に大体の事情は知ったってワケ」

「フウマって結構大胆だよなー。でもバレてたら絶対怒られてたぞ?」

「うん。だからここだけの話ってことでヨロシク」


 人差し指を立てる彼に了解しつつ、俺は本題に入る。


「えと、それでこれからの事なんだけど、俺はこれから騎士団として活動しなくちゃいけないから……」

「分かってる。今日から各々で強くなる方法を探していこう」

「よぉーし。まだ何の見通しもないけど、誰よりも強くなってやるぞー!」


 今後の方針も決まったところで、俺達は三人で叫んだ。


「「「十八日後、魔王城の前で!」」」


 再会の日付と場所を決めたところで、今日は解散となる。

 皆力をつけてくるはず。俺も遅れを取らないようにしなければ。

 自身に緊張感をかけつつ、アルティさんの元へと戻った。

 その後直ぐに荷物をまとめ、モルジアから出立する。


 馬車に揺られて半日後。逢魔が時が潰える時間に辿り着いた。

 乾いた風が、閑散とした大地を駆け抜ける。

 辺りはトオヤと戦った場とあまり変わらない光景。しかし、地面に突き刺さる剣や矢が戦場である事を物語っていた。

 時折鼻を突く死の香り。


 今日からここが、俺の戦場だ。

前回新章始まるとか言っといて始められませんでした。すみません。作者です。

次回からは本当の本当に新章です!この詐欺前もやったような気がしますが、次こそ気をつけます!

それでは、次回はお詫びも兼ねてなるべく早くアップする予定なので、どうぞよろしくお願いします。

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