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第38章―5

 だが、そうは言っても、ソ連軍が満蒙に攻め込む危険性が皆無とは言えない以上、(先走った話で、詳細は次章で描くが)欧州に展開している日本軍の多くはベルリンが陥落し、更にポーランド西部地域等にまで英仏両国軍が進撃を果たした後で、日本に帰国する予定になっていた。


 この辺りは、米内光政首相と吉田茂外相が中心となって日本政府が、英仏両国政府等に懸命に働き掛けた結果だった。


 日本政府としては、何としても日本本土、朝鮮半島、満蒙地域の日本利権を防衛する必要があった。

 更には中国本土における国共内戦の火の粉が、自分達に飛んでこないようにする必要もあった。

 それらを考え合わせると、欧州に派遣している陸海空の部隊の大半を帰国させる必要性が高い状況になりつつもあったのだ。


 さて、改めて会議の場に話を戻すと。

 八原博道中佐は、そうした事前の情報分析を踏まえて、ポーランド西部地域方面に対する侵攻(解放)作戦を縷々説明していった。

 尚、(メタい話になるが)事細かに説明していくと、長大な文章になり、却って分かり難くなるので、簡略に以下に、作戦の要点を記すならば。


 既にドイツ軍やソ連軍に対する武装抵抗を続けているポーランド西部地域を中心とする住民達に対して、携帯可能な銃火器が中心に成らざるを得なかったが、それこそ数十万丁以上の様々な武器が、米英から秘密裏に提供されており、その為の弾薬等も供給されている。


 日本軍とユダヤ人部隊が、ダンツィヒ(グダニスク)近郊に上陸作戦を展開して、その主力部隊の揚陸が完了して、内陸部への進撃が可能になるのに合わせて、こういった武装した住民達が蜂起する手筈が既に調っている。


 勿論、彼らが正規軍と正面切って戦うのは困難というよりも、不可能に近い話ではある。

 だが、様々な破壊工作(例えば、有線通信網の切断や操車場への損壊行為)を、彼らが行えば、当然のことながら、ドイツ軍は、こういった破壊工作に対処するために部隊を分散して警備活動を行わざるを得なくなり、それは必然的に日本軍やユダヤ人部隊に対処する戦力を削ることになる。


 更に住民の協力についても、ドイツ軍と日本軍及びユダヤ人部隊、どちらに住民が味方するか、と言えば、侵略者であるドイツ軍よりも、日本軍及びユダヤ人部隊になるだろう。

 念のために亡命ポーランド政府等からも、住民に対して日本軍及びユダヤ人部隊は、自分達の味方であるというラジオ放送を始めとする宣伝活動が行われることにもなっている。


 そして、日本軍及びユダヤ人部隊にとって、最大の頼みの綱といえるのが、自分達が航空優勢を確保していることだった。


 既述だが、ドイツ空軍の主力は、ほぼベルリン防衛の為にかき集められていると言っても過言ではなく、更に言えば、ポーランド西部は安全な後方地域(何しろ、この世界ではソ連は中立国であり、東部戦線は存在しないのだ)として、ドイツ軍の戦闘(爆撃)機は、ほぼ存在していないと言っても過言ではない状況だった。


 それに対して、バルト海にまで日英の空母部隊は侵入を果たしており、又、デンマーク等に日本やユダヤ人の航空隊が展開しているのだ。

(後、言わずもがなのことだが、ユダヤ人部隊の主力機は、P38戦闘爆撃機に改編されつつあり、日本軍機は百式戦闘機(零式艦上戦闘機)を始めとして、長大な航続距離を誇ってもいる)


 そうしたことから、ポーランドへの上陸作戦に成功すれば、後はこの航空優勢を活かせることも相まって、ポーランド西部地域の警備の為に分散せざるを得ないドイツ軍を各個撃破して、ポーランド西部の解放を果たせる。


 と八原中佐は主張して、日本軍の司令部も最終的には了承したのだ。

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ポーランド人レジスタンスに華を持たせて、(表面上)日本軍とユダヤ人は、あくまで「助けに来た応援、ポーランド解放は、ポーランド人レジスタンスの自助努力。」としたい。 ポーランド東部のポーランド人やバルト…
この世界でのレジスタンス神話はフランスと東欧がメインになりそうですね。ドイツ国内での反ナチが外国に知られていないので。
 ドイツ軍の主力が首都ベルリン防衛に廻されガラ空きになった裏庭のポーランド沿岸部から我が日本海兵隊は航空優勢の傘の下で強襲上陸しポーランド東部を占拠しているソ連軍がなんらかのアクションを起こす以前に手…
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