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4-7EX_女神の世界

 ひゃっほーーーー!

 意外に優秀じゃないですか。彼は。



 まさかこんなに早く問題の種の問題を解決するなんて。

 それにあの変態も頑張ってくれています。

 これほど優秀な人材を選べるとは。

 さすが私。優秀です。


 おかげで暫くはゆっくりできそうです。


 まぁ、問題は完全に解決したわけではないですし、ちょっとしたら問題も再発するのでしょうけど、少なくともしばらくの間は大丈夫でしょう。

 どうせならパッと消滅させてくれればよかったのですが。

 あとは、もう一つの方ですかね。

 なんのために魔眼に魅了まで与えたのか。

 うーん。いっそ、成人向けゲームよろしく欲望のままにしてくれればよいのですが。

 ……理性を吹き飛ばしてみましょうか?

 あー、でもそれだと女性に生き辛い世界になっちゃいそうですね。

 あの世界は科学と魔法、自然と人工、人と魔物の共存する世界を目指していたのでそれは困ります。

 世紀末な世界は私の趣味ではないのです。

 最悪、リセットしなければならなくなりますね。


 さ、そんなことより今日という休日を満喫しましょう。

 今日はどこに遊びに行きましょうか?

 何か面白い映画でもやっているといいんですけど。

 棚から映画の雑誌を取って確認してみます。

 ろくな映画がありません。

 別の雑誌を確認してみます。

 遊びスポット、グルメ、ショッピング。こちらもありきたりなものばかりです。

 うん。やめやめ。

 仕方ないので、あそこに遊びに行ってみましょう。





「で、なんで俺の部屋に来るわけ?結構忙しいんだけど」

「良いじゃないですか。他に遊びに行くところないんですよ」

 私は同僚の部屋に転がり込みました。

 暇なときの最終手段です。

「地が出てるぞ」

「いいんですよ。別に誰が見ておるわけでもないんですから。あ、この下着可愛い」

「だからって男の部屋で下着雑誌開くなよ……」

 この男、意外にそういうところは繊細なんですよね。

 普段、下では結構やんちゃしてるくせに。


 この男、以前ひとつの世界を滅ぼしてから更にナイーブになった気がします。

 あまり気にしなくてもいい気もするんですけどね。

 まぁ、反省もしないような奴よりはいいと思います。

「ところであなた、今いくつの世界を管理してるんですか?」

「ん?あ~。第3階位10、第2階位6、第1階位2ってところかな」

「うぇ……。考えただけで吐きそうですね」


 世界における階位とは、その世界のシステムをあらわす言葉です。

 世界の管理の仕方とでもいえばよいでしょうか。


 第3階位とはステータスが完全数値化された世界。作った後の管理が簡単でスキル等の様々なサポートがありますが、作るときは細かい調整が必要なので苦労します。

 第2階位はステータスが大まかなランク付けがされてる世界。後の管理はちょっと大変ですが、スキル等のサポートもあるのでそこまで管理が大変な世界ではありません。

 第1階位はステータスというもの自体がありません。作るのが簡単ですが管理は非常に大変です。ステータスが全くないわけではありませんし、世界の発展に関してはそのほとんどはその世界にいる人達に任されています。このため、少し目を離すと大きな戦争に発展し、人の住めない環境になってしまうこともあります。


 私の管理している世界でいうと、アレイシア大陸の世界は第2階位。

 あの猫を引っ張ってきた方の居た世界は第1階位に当たります。



 私は……、たくさんの数字を見るのはちょっと嫌なんですよねぇ。

 それならまだ後にしっかり見て修正していく方が()()です。


 まぁ、マシなだけで簡単とは限らないんですけどね。



「うーん。暇だわ。ねぇ、何か面白いことありませんか?」

「いや、帰れよ。お前は休みでも俺は仕事中なんだから……」

 後ろから同僚に乗っていると思いがけず妙案が浮かびました。


「ねぇ、あなた、宝珠残ってないですか?」

「宝珠って……。自分の今年分もらってただろ?」

「そんなのもう使っちゃいましたよ。作った世界のスイーツ巡りは私の趣味の一つですよ?」

「さいでっか。まぁ、いいよ。とりあえず、一個でいいか?」

 やった。一つ宝珠をせしめました。

 実は一つ持っているんですが、私がやりたいことには二つ必要なのです。


 宝珠とは、私達、神と呼ばれる者たちが下界に降りるときに使うものです。

 一年に6つほど生成……というか最高神様から下賜されるので、それを使って私たちは下界に降ります。

 この男は一度世界を滅ぼしてから、どうも臆病になっているのか、なかなか降りようとしないのでたっぷり持ってるんですよね。

 私は趣味と実益を兼ねて、あの二つの世界に降りることにしたのです。

 趣味としての面は当然、スイーツ巡りです。

 現代っぽい方はたしかスイーツも豊富で美味しかったと記憶しています。

 あのマカロンというスイーツは見た目も華やかで美味しかったです。

 中世の方はたしかパンケーキ?というかビスケットケーキでしたか。あれが美味しかった覚えがあります。

 あ、でも確か蜂蜜はあの世界じゃ貴重品でしたっけ。

 7割くらいは蜂蜜酒になるんでしたっけ?

 うーん。少しくらい残っているといいんですが。






 さて、しれっとやってきました、現代。

 こうして下に降りてみてみると進化が止まっているとは思えないです。

 いや、技術自体は進化していくんですけどね。

 お、目的の人物がいました。

 あの変態……、エルフの侍です。





 次はアレイシア大陸です。

 あ、現代の方のスイーツはとても美味しかったですよ?

 ちょっと見ない間にとってもおいしくなってました。

 ずんだチョコレート味のパフェクレープは意外なまでに美味しかったです。


 あの猫……、もとい人間は大丈夫でしょうか。

 まさか、一日見てないうちに死んでるってことはないですよね?

 えーっと?

 ここはどこでしょう?

 あー、これお城の食糧庫ですかね?

 あ、蜂蜜だ。

 ちょっともらっていきましょう。

 ……こっそりと、ですが。


「誰だ!」

 食糧庫から出ると、早速見つかってしまいました。

 あら、なかなかのイケメン。

 でも、お呼びじゃないです。

「オットマン?どうした?」

「こいつが食糧庫から出てきてな。今から尋問するところだ」

 あー、会っちゃうとめんどくさい子が出てきました。

 流石にめんどくさいことになる前にちょっと干渉しましょう。


 はい。干渉完了。

 流石に、彼以外の転移者に会うのはリスクが大きいです。

 彼にお土産を届けたらすぐ帰るとしましょう。


 おっと、しまった。

 彼がどこにいるかわからないんでした。

 ここは一芝居打ちましょう。

 とりあえず、ごめんなさいだけど、そこのイケメンさん、私の腕をつかんでもらえますか?

 はい、それでいいです。では早速。

「いやー、はーなーしーて。おーかーさーれーるー」

「おい、人聞きの悪いこと言うな。大人しくしろ」

 あ、速攻で出てきましたね。

 流石私、名演技です。


 あ、すごい顔してます。

 かわいい猫の顔が台無しです。

 なんというか、何とも言えない、すっごい顔をしています。

 写真加工ソフトでへんな顔に加工された猫のようです。

 あ、猫でした。

 まぁ、お土産渡したらスイーツ食べて帰りましょう。

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