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王都は危険っ!!!……ついでに青

何だか分からない内にイリアは冷めた苺のタルト(南の次男坊が食べろと回してきた)と温かい肉団子のスープ(スマープ)(生姜が効いているのか体がポカポカしてきた)とグラタンを食べた。大変美味しかった。その間、南の次男坊(王子の護衛)は紅茶しか飲んでいない……イリアをブタにでもする気なのかっ!?

イリアが食べ終わるのを待ち憮然としたまま「行くぞ」と声を掛けるので、困惑に眉根を寄せる。


「もしかして……デートのつもり、なんですの?」


はは、まさかね、ただ単にお詫びとして奢って貰ってるだけよね。だから、ここでお別れでしょう?とイリアは首を傾げ椅子に座ったまま南の次男坊(王子の護衛)を見つめた。


「俺がお前に求婚しているんだから、これはデートだろ」


別に怒った風でもなく、淡々と『事実だ』と告げた。


これはデートでは無い……と断ろうかと思っていた。

でも南の次男坊(王子の護衛)の赤い鋭い瞳に見つめられて、何も言えなくなってしまった。

王子の側近といい、最近のイケメンは瞳で金縛りでも繰れるのだろうか。

イリアはふう、と息を吐いて覚悟を決めた。

王子の側近ともデートをすると約束してしまったのだ、このまま彼とデートを続けた って(?)問題ない。寧ろ、再びデートを求められない様に今、行うべきだろう。


「分かりましたわ。最初で最後のデートですわよ」


「最初のデートだな。次は南の街を案内してやる」

「最後のデートで・す・わ・よ?」

「……分かった。次が結婚式だな」

「……」

「……」


イリアと南の次男坊(王子の護衛)の笑っていない笑顔の攻防は、絹を裂く様な悲鳴に寄って終わりを告げた。


南の次男坊(王子の護衛)は一瞬だけ、イリアに視線を走らせると盛大に舌打ちをして店から走り去った。手は腰に佩いた剣に添えられていた……。



「おやおや、女性を放り出して行くなんて酷い男ですねぇ」


聞き知った声にイリアも舌打ちしたい衝動に駆られたが、無理矢理笑みを作って振り向いた。


「ご、ご機嫌よう」


やはり、というか、何というか……一難去ってまた一難である。兄の悪友、宰相子息が意地悪な微笑を湛えて立っていたのだ。


「妹ちゃん、暫くですねぇ。彼は元気ですか。近頃は忙しいようでろくに会っていないのですよ」


ぎくり、として強張った顔を見られたくなくて、イリアは店の出入口に向かって歩き出した。宰相子息もついて来る。この店に用があるんじゃないのか?何も購入していない様子だが。


「呑みに誘っても忙しいの一点張りでしてねぇ。」


店を出ても歩き続けるイリアの背中に、返事など特に求めていない様に話し掛ける宰相子息。

事実、イリアは何も答えられない。

何も知らないのだから。

ずっと兄を避けて話もせず宰相子息の言う『忙しい』という事さえ知らなかった。

何と答えて良いか分からなかった。



「お、お兄さまは元気ですわ。ええ、まあ、ちょっと忙しいみたいですけど、その内、終わりますから……暇になったらまた誘ってくださいな」


嘘八百、口から出任せ……弱々しい声音で、いつもなら口にもしない事を言ってしまう。

宰相子息に兄を誘って欲しい、なんて。


俯いてしまっていたイリアの顔に影が落ちた。

さらり、と柔らかそうな青い髪が揺れて宰相子息が至近距離で覗き込んでいる。


「悩み事なら相談に乗りますよ?イリア嬢」



宰相子息の茶色い瞳は優しく瞬いていた。



宰相子息を無理矢理捩じ込みました……。

青いのは宰相子息の髪の色です!


リゾットをグラタンに変更しました。

米がないのにリゾット…ってアホです(;´д`) 2015.12.27


パイを苺のタルトに変更しました2016.9.8


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