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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第三章 時にサラッと嘘をつくシスターですが何か?
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私はドラゴンじゃない

ドラゴンスレイヤー。


その名の通り、ドラゴンに対して絶大な威力を発揮するドラゴンを倒すために作られた剣である。


そのドラゴンスレイヤーに秘められしスキル、ドラゴンブレイカーは真紅の刃を繰り出して、ドラゴンの強靭な身体をも切り裂くドラゴン殺しの技である。


「だから、私はドラゴンじゃないって言ってるだろうがっ!!」


猛スピードで私に向かってくる真紅の刃を蝿《はえ》を叩き落とすの如く、ロザリオで粉砕する。


ドラゴンブレイカーごと叩きつけた地面が勢いよく窪んだ。


その衝撃でアイリーンが後方へと吹き飛んで、勢いよく地面を転がっていった。


私をドラゴン扱いした報いだ。


と心中で吐き捨てて、ゆっくりと転がっていったアイリーンの方へと歩いていく。


アイリーンが蹌踉《よろ》めきながら、なんとか立ち上がる。


剣は地面に落ちたままで、右手でボロボロの左腕を掴んでいた。


顔も傷だらけになっていて、整った美しい顔が台無しだ。


「…この化け物め」


アイリーンが私を睨みつける。


…化け物?


おいおい…ドラゴンの次は化け物の扱いか…?


「剣が通用しないのなら、魔法だ…魔法でお前を葬ってやる…」


アイリーンがそう言って、右手で詠唱を始める。


私は瞬時に間合いを詰めて、容赦なくアイリーンの左側からロザリオを力いっぱい振った。


アイリーンが悲痛の叫びを上げながら、左へと吹っ飛ぶ。


「ごめんごめん。あまりに隙だらけだったからついね。私と戦うのに詠唱は命取りになるから気をつけて」


地面にうつ伏せに倒れるアイリーンに向けて忠告する。


綺麗な薄ピンク色の長い髪がすっかり汚れしまっていた。


「…クソッ…なんてやつだ。何なんだコイツは…」


アイリーンが右手で地面の土を力を入れて握った。


…アイリーンにどんな過去があって、残酷な行いをしているかは私は知らない。


でも、どんな理由があったとしても、簡単に命を奪うことは許せない。


だから、完膚無きまでに叩きのめす。


ロザリオを手に地べたを這いつくばるアイリーンに迫っていく。


「エメさん!もういいです!やめて下さい!」


背後からアンネの叫び声が聞こえてきた。


思わず足を止め、振り返ってアンネの方を見る。


そこには目に涙を浮かべて、こちらを見るアンネの姿があった。


「…エメさんの勝ちです。もう戦うこれ以上は必要ありません…お願いですから、優しいエメさんに戻って下さい…!」


アンネが涙目ながらに訴える。


…推しの頼みなら仕方ない。


「…戻っていいよ」


と囁くとロザリオが元の大きさに戻る。


そして、ロザリオを再び首から下げた。


すると、たちまち辺りが霧に包まれ出す。


…しまった…アイリーンの魔法か…!?


霧で視界が全く見えなくなる。


しかし、すぐに霧は晴れた。


そこで地面に倒れていた筈のアイリーンの姿がなくなっている。


その側にあったドラゴンスレイヤーも…


私はアイリーンがいるであろう方向へと目を向けた。


そこはアンネがいた場所だ。


「…エメさん」


アイリーンがアンネの背後から、アンネの首筋に剣身を当てている。


私の不注意でアンネが人質に取られてしまった。

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