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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第六章 もし転生するなら逆ハーレムを所望するシスターですが何か?
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勇者様

「駄目だ。悪いが今の状況で見知らぬ者を町の中に入れる訳にはいかない。諦めて帰るんだな」


タオカモイの三倍は大きいであろうワイコライズの町に辿り着き町の中に入ろうとしたが、入り口で守衛のおっさんに門前払いを食らった。


どうやら町は無事だったようだ。


でも、襲撃には遭ったのは守衛のその反応でなんとなく分かる。


「…なら、せめてクラリス様の安否だけでも教えて頂けませんか?」


と下手に出てみる。


「あ?姫の安否だと?まさか姫の命を狙っているのか貴様ら!さてはゴブリンの手先だな!?」


守衛のおっさんが鞘から剣を抜き、私の顔に剣先を向けた。


後ろにいたアンネが小さな悲鳴を上げる。


…駄目だこりゃ、話が通じないわ。


とため息を漏らそうになった時、最後尾にいたアルテガがスッと動いた。


「何だ貴様?もしかして歯向かう気…あれ?もしかして勇者様ですか…?」


アルテガを見た守衛の様子が急変する。


…嘘だろ?


「ああ、いかにも。私は勇者アルテガだ」


と一体、誰だよお前?というアルテガが私たちの前にいた。


「し、失礼致しました!まさか、アルテガ様のお連れの方とはつゆ知らず、随分とご無礼な態度を取ってしまい申し訳ありません!」


守衛のオッさんが慌てて頭を下げた。


…無礼という自覚はあったんだな。


「いや、構わない。ただし、町の中には入れてくれるよな?私たちもゴブリン退治で情報を得たいんだ」


「はい、勿論です!流石はアルテガ様!もう既にゴブリン退治に動いていらっしゃったんですね?」


守衛の質問にアルテガがムカつくくらいニヤリと笑う。


「当たり前だ。私は勇者だぞ?さあ、早く私たちを通してくれ。そうだな…まずは町長に会って話がしたい。案内してくれるか?」


アルテガがナイスというばかりに話を進めた。


「はい!さあ、アルテガ様、お連れ様、こちらです」


入り口をもう一人の守衛に任せて、守衛のオッさんが私たちを町の中へと案内する。


町の中へと入ると、タオカモイ同様に町の中を出歩く町人はあまり見かけなかった。


守衛のオッさんが立派な建物の前で立ち止まる。


どうやら、ここが町長の家のようだ。


「では、町長に話をしてきますので、しばらくお待ち下さい」


と守衛のオッさんが建物の中へと入って行く。


守衛のオッさんがいなくなった瞬間、先頭にいた勇者アルテガがくるりと私の方に向いた。


「どうです?ワイコライズは俺の顔が利くでしょ?」


とドヤ顔を向けてくる。


なんとも殴りたくなる顔だ。


「…まあ、よくやった。腐っても勇者だな」


と褒めてやる。


「エメさん。アルテガ様のおかげで町の中に入れたのですから、そんな言い方はいけませんよ」


隣にいたアンネが私に注意する。


「そうです。勇者様のおかげで町長とお話が出来るのですから、もう少し感謝を口にしないといけませんよ?ありがとうございます勇者様」


とオーリュウまで私を責めた。


ぐぬぬ…


「…ありがとうございました勇者様」


と小声で言う。


その時、建物の中から町長が顔を出した。


「アルテガ様!よくぞお越しくださいました!守衛から話は聞きましたよ。なんでもゴブリンたちを倒すために立ち上がって下さったとか?流石はアルテガ様です。さあさあ、中へどうぞ」


町長が私たちを中へと誘う。


ますますアルテガが調子良さげな顔を浮かべた。


…あんまりコイツを調子に乗せないでくれ。


と心中でぼやいた。


町長に案内されて、私たちは応接間へとやってくる。


そして、私たちはソファへと腰掛けた。


守衛が頭を下げて、部屋から出ていく。


それから、町長が私たちの向かいのソファへと腰掛けた。


「さて、勇者様。私に話とはゴブリンのことですか?」


町長がアルテガに視線を送る。


「ああ、そうだ。ゴブリンたちはこの町に来たのか?」


とアルテガが偉そうに答えた。


とりあえず、話はアルテガに任せておく。


「…はい。四日前のことでした。突然、ゴブリンたちが襲ってきたのです。まあ、インナリィ城が襲われたことは知っていたので、警戒はしていました」


…どうやらタオカモイより早く襲撃に遭っているようだ。


「よく無事だったな?」


アルテガが訊いた。


「…はい、兵士を集めてはいたので、なんとか。でも、実際はよく分からないんです…」


町長の話に思わず首を傾げた。


「よく分からない?どういうことだ?」


アルテガが再度、質問する。


「ゴブリンたちの中に肌の色が違うゴブリンが三匹いて、そのゴブリンたちは他のゴブリンたちとは違い我々と会話が出来て、更に何か特殊な力を使っていました。突然、兵士を火だるまにしたり、姿を消して攻撃してきたり、あとおそらく私たちの心を読んでいるようなことを言っていました。なので、初めはこの町もインナリィ城のように占拠されてしまうと思っていたのです」


町長が頭を抱えながら話す。


「しかし、急にそのゴブリンたちが怯みだしたんです。私は見ていなかったのですが、誰…いや二人いたそうです。その二人がその特殊な力を使うゴブリンたちと戦って、ゴブリンたちからこのワイコライズを助けてくれたようなのです」


町長の話にへぇーとなる。


「それは幸運だったな。その者たちは何者なんだ?」


とアルテガが町長に訊ねた。


すると、町長が私とアンネに視線を向ける。


「見ていた者の話では、あなた方と同じシ(・)ス(・)タ(・)ー(・)だったようです」


町長の返答に思わず怪訝な表情を浮かべた。

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