表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ咳をする  作者: haremame
廻編 第一章 星に願いを 月に幸せを
6/18

悪食なる者 Ⅱ

「スイッチ!」



入れ替え、攻撃。防御して、攻撃。



「なんか調子良くなってきたぜぇ!ジャストォ!」



だいぶ長期戦になってきている。

ギイナもそれに気づいているのか堅実にこちらを狙ってきている。どうやら、ユーサがこの戦いの要だということに気づいたらしい。バレそうになったら誰かと位置を変え、即座に隠れる。


それでなんとか出来ていたが、もう無理らしい。



「グッ!?」



ユーサとギイナが鍔迫り合いをしている。

ギイナは、いつの間にか武器を呼び出し、こちらを攻撃してきていた。


ユーサとカキアを中心に、遊ぶ気もなくなったのか苛烈な攻撃を仕掛けてくるギイナ。


正直、かなり辛い。

ユーサの位置替えも、何も無制限じゃない。



「【明日ヘノ光】!」



光を纏う魔剣を、その重みに任せて振り下ろす。

これまでの反応から、光属性が弱点だと思われるギイナには【煌撃】が有効だ。


凄まじい破壊力を内包した一撃で、ユーサへのヘイトは外れた。けどっ!


1,2,3と斬撃が目の前をかすめていく。

パリィは⋯⋯無理そうだな。


風切音が俺の神経を逆撫でしていく。

生きてる心地がしない。


その時、パッと視界が変わり、視界の隅にジャスガのエフェクトが光る。休んでられないな。





















ブラフは十分。


切り抜けるギリギリのラインの見極めも終わった。シュウサに25%、ゴルトに55%、ユーサとカキアにはそれぞれ10%ずつ。


あの謎結界の解析も終わったし安心。

さて、始めようか。


血の雨(スティールレイン)】。




















なんだ?

違和感に気づけたのは、俺が今離れた場所にいて落ち着いて戦況を見極められたから。


ギイナが、何かを準備している。



「もういっちょォ!」



ゴルトが攻撃を弾いて、ギイナが体勢を崩した時。ギイナの右の、中指と親指に力が込められていた。


地面の影が、俺達の居場所をシャッフルしようとしたのと同時。ギイナの口が、フッとほくそ笑み、パチンッと音がなる。


視界が暗転し、また光を取り戻した時。

天井から迫ってくるのは命を刈り取る無数の凶器。



「なっ!?」



ギイナは今まで遠距離攻撃を仕掛けてこなかった。ユーサを狙うべき盤面でも、遠距離攻撃がどんなに有効な場面でも。その葛藤すら見せなかった!


踊らされていた。今この瞬間のためだけに、俺達を仕留めるためにここまで!



「【正界】!」



結界を即座に展開する。

【護ルベキ者】には及ばないが、刃物を防ぐ程度には十分。魔力の消費もないから戦闘開始のときみたいにはならない。


取り敢えず、ユーサとカキアの援護に⋯。


そう二人の方向に駆け出した俺は、本当に運が良かったのだろう。



「は?」



俺の、後ろ髪の一部が切れていた。先程まで、俺の心臓があった場所。


そこをまっすぐ。刃が通り過ぎていた。



「ッ!?!」



体中から嫌な汗が吹き出す。死んでいた。逃げ切れなかった。


結界が通じない。


ただそれだけで俺の心の余裕は崩れ去った。


呆けている暇はない。その一瞬で俺の命はなくなる。恐怖で凍った体を、その上を行く恐怖で燃やし尽くす。


迫りくる刃物を、弾いて、弾いて、弾いて!



「!?」



砲弾!?これは、切れない!駆けながら身を捻る。俺の胴体ギリギリを砲弾が通過し、爆風を撒き散らす。



「うわっ!?」



なんかスローに見えたぞ!


やっべ。なんか楽しい。


またこちらに狙いを定めるのは、さっきよりも多い凶器の群れ。


さっきまでは怖かった。だけど、今は⋯。



「来い!」



[スキル【思考加速】を入手しました]



ナイフ、ショートソード、ロングソード、盾、矢。何だっけこれ、ツイストダガーナイフだっけ?


よっすギイナ。

悪さしてるのはその光ってる右手か?



「【仇討堂々】」



「っ!」



有り得ない機敏さで肉薄した俺は、謎のスキルで腕を切断する。なんだろうねこのスキル。あだうちどうどう、かな?


俺の読みは当たっていたようで、武器の嵐は消えていく。みんなも大丈夫そう。



「うん。OKそうだね」



んえ?今の誰の⋯声⋯⋯。







【仇討堂々】:自身の仲間を殺害した対象と戦闘した場合身体能力を2倍にする

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ