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ただ咳をする  作者: haremame
廻編 第一章 星に願いを 月に幸せを
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忘却の果て

ああ、私って最低だ。


そう思ったのは、現在進行系で私が何もしていないからだろう。今この瞬間、私が彼に名前を教えてあげれば、彼は忘れなかったはずなのに、私は彼に教えなかった。


少女から話を聞く限り、わからないところは多々あったけど

私はここで彼を放置するしかないということはわかっていた。


私の前で、彼⋯⋯⋯シュウサ・グレイスは呻いている。



「僕も見るのは初めてやけど、えげつないのう」



彼の端正な顔が歪んでいく。きれいな金色の髪は、すべての色を混ぜて作られた黒のような汚れた色へ。目からは希望や喜びの色が抜け落ち、瞳が黒く染まりながら暗い気持ちを宿していく。細くても筋肉質だった体は、山賊のような剛姿へと変貌していく。



「世界の⋯⋯改変」



【ミコト】というイレギュラーに対し、世界が行う処置。

使用者の存在を抹消し、使用者がいなかった世界を再構築する。


今のシュウサ君の姿は、彼の親友であるゴルト君がいなかった世界の姿だ。



彼はもう、シュウサ・グレイスではない。

そんなことを知っているのに、彼に近づいてしまったのは失敗だったな。



「いったぁぁ⋯⋯」



「それで済むお前が僕は羨ましい」



片腕が吹き飛んだ。

いや、斬り飛ばされたと言ったほうがいいかな。



「そっか、もう君の武器なんだね」



私があげた〘煌憧刃羅(コガレテ)〙の形が変わってる。


取り敢えず腕を治そう。さっき暴れまわったときに大体は掴んだ。骨を作って、血管を作って、筋肉、そして皮膚の順番で再生していく。


うし、腕は大丈夫だな。

さぁてと⋯⋯。



「【鑑定】」





未喰(バク)

在りし日の力を失った魔剣

人の血で染まろうとその刀身は紺碧に輝く


能力:

【恨痕】〚ーーーーー]ーー〛

・対象への恨みをゲージとし、ゲージを消費することでスキル【怨恨】を使用する

                             

・ゲージが五段階目を超過したとき、【解放(リリース)】を使用することでO.F(overflow)状態に移行する

O.F状態は五分間しか保てないが、ゲージを消費することなく【怨恨】の使用が可能になる


【怨恨】追尾する闇属性の斬撃を飛ばす




おっと、その表示。もしかしなくても君、やったねぇ。

やっちゃったねぇ⋯⋯。


その剣で、人を殺したな?



「暴れる前に止めたほうがええな。おいお前、頼んだ」



「おいお前、じゃなくて司会とでも呼んでください。【スブシスト】!」



少女が指を鳴らす。そうすると、彼の動きが不自然に止まった。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯え?いや、ちょっと待って。私もう既に武器作って臨戦態勢に入ってたんですけど。


「さて、では――」



「ちょ、ちょい、ちょいまち?え、なんか今の状態について説明をくださいませんか?」



「まずい!悔菜は状況がわからずに敬語になってしまった!」



「ポ◯モンみたいやな。」





説明中⋯⋯






「なるほどね。彼を処理するに当たって、彼の過去を知るわけだけどその最中に暴れられたら困るから、彼の時間を止めたと」



「そういうことです」



わかっちゃいたけどこの少女強いな。

相手の時止めとかやっちゃだめでしょ普通。



「それで、どうやって過去を知るの?」



「それはね〜、こうやってです!【センメル・クイート】!」



「おや?」



足元がなくなってしまったかのような浮遊感。なぜか上空へと遠ざかっていく少女。なぜか下から吹く風。あれこれ本当に落っこちてね?



「ぎぃぃいいぃやぁああああぁぁぁああ!?」



「うるさい」



「いってらっしゃ~い」



私本当にバンジーとか無理なんだよぉぉぉ!!!






〘未喰〙の刃は【怨恨】を撃つときは刃の水色の部分が黒く染まる。O.F状態だと常に真っ黒。

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