④
後で見直して書き直す予定です!ちょっと納得出来ないです。消えた分を必死で思い出して、取り敢えず投稿して見ました。
アレから三時間余り時間が過ぎました。
私はと言うとフワフワの可愛い奴を堪能中だ。
勿論フワフワの奴は可愛い豆柴の子犬だ。
此処は昔から有る豆柴のブリーダーショップで、ウチは動物厳禁の為、昔から癒しを求めて度々お邪魔してる場所だった。
広い敷地内を走り回る犬達に囲まれ、至福の時を過ごしてるのに、少しも癒されないのは、私の後ろに佇む人物が原因だったりする。
犬達が心無し所か、物凄く警戒してる様に思える。
撫でてる子犬が固まった様に動かない。他の子犬達はプルプルと震えてる様にも見える
「ほーらほらほら、よーしヨシヨシ!」
大丈夫だよ怖くない怖く無いよ!と一身に子犬を撫でれば、子犬のつぶらな瞳が見上げてくる。
背後のは気にしちゃダメだよーとニッコリ笑えば子犬は少しだけ緊張を解いた様に思えた。
先程からブスブス後頭部に視線が刺さるが、無視し、子犬とじゃれ合う私。
背後に佇む人物とは勿論、無気力ボーイのミチル様だ。
一言も喋らず、私の背後を陣取ったまま微動打にしないミチルを総無視したのは三時間前の事
違う、怒った私がミチルを無視した為、私の背後霊と化したミチル?だったか.......。
どちらにせよ、ミチルを空気の様に扱ってるという事だ。
良いではないか、空気になりたいって言ってたじゃない?念願の空気となれて、嬉しいでしょ?
それに私は物凄く怒ってるのだ。
何でも思い通りになると思ったら大間違いなんだからな!このダメンズがぁ!
心の声が聞こえてたのか、子犬がビクリと身体を跳ねさせたから、繕う様に子犬に擦り寄る。
「あー違うからねぇ!ほぉら、怖くない?怒って無いよ?あー可愛い!あー可愛い!ほわぁ良い匂い〜」
子犬の肉球の匂いをクンカクンカ嗅ぎ、フワモコに顔を埋めスリスリと頬擦りすると、ビクリと再び身体を跳ねさせた子犬。そして、小さな身体を必死で捩って逃げ出すと、母犬の元へ一目散に駆け寄る。
そんなに嫌だったのかとガックリすしながら溜息を吐き出す。
その子犬と共に他の犬達までサーッと遠ざかって行くから「ん?」と、キョロキョロ見渡すと明らかに怯える子犬達
その視線は私の背後に注がれ、警戒して、後退りしてるモノまで居た。
恐る恐ると振り返ると無言ながら負のオーラを撒き散らすミチルが居た。
しかし、そんな姿でも、今の私はビクともしない。普段ならヘラリと機嫌を取るやも知れないけれど、今の私は気が強くなってるのか、フンッとソッポを向く
そしてそのまま汚れを払う様にパンパンと手と服を叩き、立ち上がる
スタスタと向かう先は可愛い子犬の元だ
しかし
「アレ?」
スススーと音も無く逃げて行く犬達
その現象は私が行く先々で起こった。
抱っこさえも出来なくて、ハァーと溜息を吐き出す。
商売上手なブリーダーのオーナーは飼えない人でも触れ合える様にと、触れ合いコーナーを設けてるのだ。
一般のお客さんはそこで子犬と触れ合える仕組みで、購買意欲にも繋がると言う訳だそうだ
子犬と触れ合えば欲しくなるのは確かに経験済みだ
スタッフのお兄さんへ「もう帰ります」と項垂れながら伝えると苦笑いしながら「今日はもう良いの?」と返ってきた。
子犬達をこれ以上怯えさせたくないし、触れそうも無いから「また来ます」と、項垂れながら呟いた私だったが、
スタッフのお兄さんはミチルを見ながら可笑しそうに呟いた。
「でも、珍しいね、あんなに怖がるなんて.....君、何か特殊な匂いでも振り撒いてるのかな?」
スタッフのお兄さんが、愛想良くニッコリ冗談を言うも、興味ないのかジッと見下ろしたままピクリとも反応しないミチル
「うーん、本能がそうさせるのかな?」
そう、ミチルは何やら電波でも発してるのか、動物達が異様に怖がるのだ。
野生の本能なのか、コイツには警戒しろーと言わんばかりに近付いて来ないのだ
あんなに私に馴れてた子犬達の逃げて行く様.....
やっと一匹撫でさせてくれる子を確保し、珍しく逃げないなぁーなどと思えば、なんて事無い、固まって動けないだけでは無いか!
キュンキュンと可愛い鳴き声が助けてと言ってる様に聞こえたのは気のせいじゃ無い。
女の子達は何もしなくても寄って来るのに、動物達には酷くモテないミチル様
ブリーダーショップを出る時、スタッフのお兄さんが毛の処理をしてくれるが、背後のミチルが邪魔でゴロゴロと掃除機が掛けづらそうだった。
私の背後霊と化してるミチルにも毛の処理をしょうとしたスタッフのお兄さんへ代わりに断ると苦笑いされた。
トボトボと歩く私の背後には勿論ミチルの姿
思えば、私は少しばかり、ミチルを甘やかし過ぎだったのかも知れない
だから三時間前の事だって、自分が悪い何て少しも分かってない筈。寧ろ、私が怒ってる理由すら把握してないのかもしれない。
あんな
あんな
公衆の面前であんな事するなんて.....
明日、どんな顔して教室入ればいいのか!
三時間前の自分に警告したい
逃げろと!今直ぐその場を去るんだーと!
現実逃避して子犬とじゃれ合ってる暇じゃなかった!
きっと今頃大騒ぎだ
愛奈ちゃんのポカンと呆気に取られたあの顔。
ナオの面白いモノでも見たと言わんばかりの表情。
悲鳴と囃し立てる声の中、私は逃げ出したのだ
私は悪くない。絶対悪くない。
いきなりあんな事をするミチルが悪い
ーーーー
ーーー
ー
「アンタ何?」
名前を呼ばれたのが嫌だったのか、嫌そうな顔して呟いたミチル
愛奈ちゃんを見下ろし、言葉を発したミチルだったが、愛奈ちゃんは何を言われたのか分からなかったのかポカンと見上げるばかりだった
そして、何も返さない愛奈ちゃんに、もう興味は無いと言わんばかりに私に向き直るミチル様
そして音も無く近寄って来たミチルはボソリ呟いたのだった
「陽菜と気持ちイイ事したい」
と.......。
その声は本当に小さな囁きだった
しかし、シーンと静まり返る教室内
丸聞こえだったのは言うまでもない。
一瞬、何を言われたのか分からなかった私はポカンと見上げる。
顔を傾け覗き込んでくるミチル
そのまま耳元に唇を寄せられミチルは一言呟いたのだった
「陽菜が足りない」と.......。
朝のお預けが事の他効いてるのか、あんなにヤラシイ事をしといて、まだ足りなかったのか、変なフェロモンを撒き散らすミチル
私はヒィィと悲鳴を上げる。
後退りする様にミチルから距離を取ると、同じ分だけ近寄るミチル
要求不満なのか、滑舌なミチルは猫が擦り寄る様に私の首を撫でてくる
近づき過ぎたミチルの顔を押し退かすとクラスメイト達と視線が合わさる。
そこでも悲鳴を上げた私だったが、態となのか、ミチルは私の耳に息を吹き入れて来たのだった。
耳が苦手な私は瞬時に真っ赤な顔して耳を押さえる。
そして抗議する様にミチルを睨み上げる
も、自己中なミチルは私の表情を見た途端事も無げに囁いたのだった
「駄目でしょ?そんな顔はベットの中だけにしとこうか?」
勿論、その言葉もしっかり聞き耳立ててたクラスメイト達に丸聞こえで、次の瞬間、沸き起こる悲鳴と囃し立てる声と誰かの口笛の中、私は逃げ出したのだった。
そして背後霊になったミチルさん
それが三時間前の事
私は決めたのだ
この無気力ボーイの教育的指導を開始すると!
もう甘い顔はしない!
許すまじミチル!
一言も口を開かない私は一つも悪くない
少しは反省しろと私は暫く無視を決行する事にした
勿論、チーズケーキも無しだ
家の前に着き、ジロリと睨み上げた私をキョトンと見下ろすミチル
そのまま何食わぬ顔して家の中に入ると感じだ私は瞬時に家の中に入り込むとバタンと勢い良く扉を閉めた。
扉を閉める瞬間、ミチルが驚いた顔してコチラを見てたけど、私は知るか!と言わんばかりに鍵を掛けた。
だが、実際は外のミチルが気になり、聞き耳を立てて居た私だった。
一回、トントンとノックしたミチル
勿論私は返事もしなければ、返しもしない
すると諦めたのか、遠ざかるミチルの足音
その日の夜ミチルから送られてきたLINEは
『チーズケーキ』だった
知るか!と削除した私だった
けれど、普段滅多にLINEなどしないミチルから送られてきたLINE
一つ一つの文字を打つのに凄く時間を掛けるミチルが一生懸命打ったと思えば勿体無い様な気がした私はやっぱりミチルに甘過ぎるのかも知れない
次の日の朝ーーーーーーー
玄関を開けると、そこには眠そうに頭を揺らすミチルが居た
私は驚き過ぎてそのまま駆け寄ろうとして、思い止まる。
そして、フンッとソッポを向きスタスタと歩き出した訳だけど、再びミチルが背後霊と化したのは言うまでもない
そう、ミチル背後霊化の始まりだった。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。ミチルの我儘や自己中や、性格がどう変化していくのか楽しみながらご覧頂ければ嬉しいです。そう、ミチルは駄目なイケメンなんです。主人公苦労するんです。振り回されるんです。自由に生きる、それがミチルですが、有る意味羨ましくも有ります。大抵の人は周りをちゃんと見て、社会に溶け込んでるんですよねー。ミチルは周りを見ない、思った事は実行しちゃう、少しお子様な所も有るんです。駄目な所も沢山ありますが、見守って成長の過程をご覧下さい!次はミチルのターンにしようか、陽菜子でそのまま行こうか迷い中です。