表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/25

朝の出来事(呪いについて)

「キャャァァァ~ッ!」


突然の悲鳴に目を覚まし、声のした方に走ると、


「どうした!」


イーノキ神官も走ってきた。


この先は神殿の聖水を置いてある場所だ。


着いてみるとシリルが腰を抜かして座り込んでいる。


「どうしたんですか?」


彼女は、震える指で指差した。


そこには、聖水で顔を洗うスケルトンがいた。


鏡に向かい、右を見せ、左をみせ、これでよし!よしじゃね~~!




◆◆◆◆◆




スケルトンはイーノキ神官にオクトパス・ホールドをかけられ、タップをするが許してもらえません。


「聖水でヒゲを剃り、洗顔するなど神をなめてるとしか言いようがない!」

実際、スケルトンですし、モンスターなんで関係ないでしょう。


「しかも、アンデット系のモンスターは聖水などに触れただけで溶けてしまうものなのにコイツは!コイツは!」


……先ほどカード見て確認したら、『聖属性耐性(大)』持ってたわ。どこまで規格外なん?


『ギブ!ギブ!』


イーノキ神官をタップするスケルトンの顔に落書きをする。


泥棒ヒゲでいいよね。


「イーノキ神官っ!大変だ!仲間が呪いを受けた!」


神殿の扉を押し開け入ってきた警備兵が、俺達を見て唖然とする。


「詳しい話を聞かせてくれ(キリッ!)」

技かけながらその顔は止め~い!



神殿に運び込まれた警備兵は、『堅狼』の迷宮の詰め所から戻ると倒れ込んだらしい。


「ダルクくん、よく見たまえ」


イーノキ神官が彼のケツを指差して、


「彼はイボ痔だ」


「関係ないだろ!」


何で俺が神官にツッコまなきゃならないんだ?


しかし、イーノキ神官は彼のズボンをペロンと脱がすと、


「見たまえ」


覗き込む。


「汚いケツだ」


「あんたはケツから離れろよ」


くそっ、スケルトン以上の強敵だ。


ズボンをはかせ、仰向けにすると、彼の右手をとった。


袖をまくり上げると、腕の中程に赤黒いミミズ張れのような物があった。


「私と同じMか」


「……………」


期待するような目で見るな!ツッコまんぞ!


「呪いを受けたものは体の一部にこのような痣ができる」


「あんたはそれを自分の性癖にかけたんかい!」


嬉しそうなな目をしている。


もう、ツッコまんぞ!絶対だ!


「彼も探索者なのかね?」


神殿に呼びにきた警備兵が、


「資格は持ってました。それに、小遣い稼ぎに内部にも入ってたので……」



迷宮にやはり、何かあるのか?


「お願いします。早く呪いを解いて下さい。そうしないと……」


そうしないと?


「明日休みなのに代わりに出なきゃならないじゃないですか!」


呆れてものが言えん。


「その気持ち、よく分かる」


分かっちゃだめだろ。神官。


「しかし、呪いを解くとなると明日までかかる」


「ああ~っ、なんてこった。久しぶりのデートが……Orz」


ふん、リア充爆発しろ!


そんな彼の肩を叩くスケルトン。


何をする気だ?


《チャラララ~(マジックショウなどでかかる曲)》


スケルトンがどこからともなくハンカチを取り出して、裏表を見せる。


《チャラララ~(同上)》


呪いのかかった腕にかけ、ワン、ツー、スリー!


腕からは呪いの赤黒いミミズ張れは無くなっていた。


「「「おお~っ」」」


スケルトンは得意げにハンカチをフルと俺の方へ。


頭にハンカチを乗せるとそのまま顔の前を滑らせる。


「「プッ」」


え?何があったの?


スケルトンが鏡を持ってきた。


「ナンジャコリャ~!」


トレビア~ンなヒゲ……もとい呪いのヒゲが書かれていた。


ハクション大魔王か俺は!

ヒゲ(呪い)は剃り落としました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ