表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アークライト廃墟ダンジョン再興記――追放管理士と精霊少女のゼロから始める逆転経営譚――  作者: 盆ちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
43/60

第43話:北方生態系網の無力化と逆照射ハッキング

第43話:北方生態系網の無力化と逆照射ハッキング

アークライト廃墟ダンジョンの第五階層、古代魔力演算室のプラットフォームに立ち並ぶモニタリングディスプレイは、北方原生林の深部に広がる生態系支配型ダンジョン〈深緑蛇園〉から送り込まれたすべての侵略用生体兵器と有毒胞子が、レオン・アークライトの固有能力〈再構築リビルド〉の圧倒的な浄化の光によって一瞬にして無力化され、無害な魔力の粒子へと還元された軌跡を鮮明に映し出していた。

外壁の隙間を縫うようにして這い上がってきた紫色の蔦や、接触する者の魔力を麻痺させる特殊な胞子はすべて消滅し、逆にアークライト廃墟ダンジョンの外縁部には、より強固で美しい黄金色の多重魔力バリアが幾重にも張り巡らされた。それは単なる防御壁ではなく、侵略者の魔力波形を完全に逆探知し、その攻撃の出所を突き止めるための「逆照射ハッキング回路」へと即座に転換されていたのである。

「マスター……! 北方の〈深緑蛇園〉から送られてきた侵略プログラム、完全に逆探知に成功したわ。奴らがどのルートを通ってこのダンジョンの魔力回路をハッキングしようとしていたか、その中枢拠点の位置が完全に特定できたわよ!」

精霊の少女ミラは、自身の銀糸の髪をふわりとなびかせながら、演算室のメインコンソールに表示された詳細な位置座標データを指し示した。彼女の表情には、かつての弱り切った儚さは微塵もなく、要塞全体の絶対的な守護精霊として冴え渡る知性と自信に満ちあふれていた。

レオンは腕を組み、冷徹なまでの落ち着きを保ったまま、その表示された座標データを鋭い双眸で見据えた。

「よくやった、ミラ。奴らは自分たちの生態系ジャングルと迷宮の同化能力を過信し、こちらのシステムを一方的に汚染できると思い込んでいた。だが、我がアークライト廃墟ダンジョンは、もはやただ防衛に徹するだけの弱小拠点ではない。――今度は、こちらから奴らの生態系ネットワークの心臓部へ、我がダンジョンの管理権限を逆流バック・ストリームさせる」

そのレオンの冷徹かつ大胆な指示に、第五階層の古代魔力演算室全体が共鳴するように低い駆動音を立て始めた。

中央の巨大な魔力循環モデルが眩い黄金の光を放ち、アークライト廃墟ダンジョンのすべての階層から抽出された高純度の管理魔力が、一本の太い光の槍となって北方の空へと放たれた。それは空間を切り裂くような勢いで原生林の地下迷宮へと直撃し、〈深緑蛇園〉の主導者たちが築き上げていた生態系ネットワークの主制御室へと一気に侵入していった。

北方の原生林の深部、誰にも侵入されないはずの〈深緑蛇園〉の最深部制御室。

そこに陣取り、不気味な植物の蔓を操りながらモニターを見つめていた生態系支配型の魔導士リーダーたちは、突如として自分たちのコンソールが真っ赤な警告色に染まった瞬間、信じられないものを見るような目で悲鳴を上げた。

「なっ……なんだこれ……!? 我々が送り込んだ生体汚染がすべて消し去られただけでなく……逆に、見知らぬ膨大な管理魔力が、我がダンジョンの生態系ネットワークの全回路に逆流してきている……ッ!?」

「ばかな……! この迷宮の制御権が、外側から勝手に書き換えられていく……!? 一体どこのどいつがこんな荒業を……ッ!」

慌てて防衛プロトコルを起動しようとするも、レオンの固有能力〈再構築〉と第五階層の古代演算室のシステムが持つ膨大な情報処理能力の前には、彼らの小手先の防衛魔法など紙細工のように簡単に粉砕されていった。

〈深緑蛇園〉の全階層に生い茂っていた毒草や魔獣を統括する魔力回路が次々と黄金の光に包まれ、アークライト廃墟ダンジョンのシステムへと完全に統合されていく。それは武力による破壊ではなく、迷宮そのものの「管理権限の完全な上書き」であった。

アークライト廃墟ダンジョンの統合管理プラットフォーム区画では、モニタリングディスプレイの表示がパッと切り替わり、これまで未知の脅威として不気味に赤く点滅していた北方のエリアが、完全に安全な「管理下区画」を示す美しい黄金色の表示へと書き換わった。

「ふん……。生態系を我が物にすると豪語していた連中が、いざ自分たちの基盤を書き換えられるとこうも脆いとはな」

レオンは冷徹な笑みを浮かべ、ゆっくりと腕を解いた。

その様子を見ていた大剣を担いだガランは、腹を抱えて豪快に笑い飛ばした。

スコーンと見事にやり返してくれたもんだぜ! 相手の庭に逆に入り込んで、まるごとシッポを巻かせてやったってわけか。いやあ、スカッとしたぜ!」

商人エリカも手元の帳簿をパタンと閉じ、晴れやかな笑顔で頷いた。

「これで北方からの不穏な流通や妨害工作も完全に断たれましたね。私たちの商会ネットワークは、もはや大陸全土において敵なしの強固な基盤を築き上げたわ」

南部使節団のドミニクも深々と一礼し、その圧倒的な成果を称賛した。

すべての脅威を完璧に退け、むしろ新たな領域を自らの管理下へと組み込んだアークライト廃墟ダンジョン。

天才管理士レオン・アークライトが率いるこの要塞の輝きは、もはや誰にも止めることはできず、大陸全土の歴史を揺るがす黄金の未来へと向かって、さらなる壮大な歩みを続けていくのだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ