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第66話 東方からの使者とちょっとした日常

しばらく毎日18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。

 長らく東方に行っていたお爺様達が帰ってきました。アント家の私と父、私の家族、子供たち、そしてフライ家の人達とロバート達が出迎えました。

 「久しぶりじゃな。バースにロン」ジョージお爺様はそう言って、笑いながら肩をたたいてきました。外のみんなにも同じことをしていました。長旅と年齢にもかかわらず元気いっぱいのようです。

 ベンジャミン様は「お前少しは自重しろ」と言って、お爺様をたしなめていました。

 「そうだ、ロン、東方世界の有力領主であるクトー殿からの使者を連れてきたぞ」

 そう言って紹介されたのが、一人の東方人でした。黒髪の男で、名をミーツと言いました。

 「お初にお目にかかります。我が主、トム・クトー様からの親書と土産物でございます」

 そう言って、手紙が一通と、刀剣、銃、織物、そのほかとても美しい工芸品が送られてきました。あと、特筆すべきは魔石銃でした。


 魔石銃は、西方社会でも開発されており、かなり強大な力を持っていますが、東方社会のものは、非常に実用的で、口径も大小さまざま用意されており、西方社会の魔石銃よりも進んだものでした。

 私はロバートと相談して、東方の銃を研究するため、魔石銃の研究、生産を行っている国家直営の工廠に魔石銃現物を引き渡しました。


 親書には、今後とも貿易を行いたい旨の話と、特にコメが欲しい、いくらでも欲しいと書かれていました。とても切羽詰まったような感じで、実に切実に書かれていました。

 「コメってグランドで取れるコメのことかな」そう言って、現物を持ってこさせて、ミーツ殿に確認しました。

 「それでございます。ジョージ殿とベンジャミン殿が我が国に持ってこられ、それを見た殿が涙を流して、欲しがったものでございます」

 「わかった。それでは、保存がきくように籾の状態で用意して、お送りしよう」

 「はい、ありがとうございます」

 そう言って、頭を下げた。


 「おじいさま、東方にはコメがないのですか?」私がジョージお爺様に聞くと、「あるにはあるのだが、どうも種類が違うようでな。タウングー王国とアユタヤ王国にもコメはあったのだが、彼らはそれを粉にして麺状にするか、薄いパンのような形にして、麺の場合は汁の中にいろいろな具と一緒に入れて食べており、薄いパンの場合は具材を包んで食べていた。クトー殿はコメを炊いて食べたかったらしく、それに合う品種がなかったらしい。たまたま我々が持っていったコメをグランド式のやり方で食べさせたところ、大変感動してこの米を欲しがったわけだ」


 グランドの地にいた左真人はもともと東方から来た民族で、一緒にコメを持ってきたらしい。それがグランド人に伝わり、彼らも食べるようになったのだが、おおもとの東方世界では姿を消していたとはびっくりです。


 そのあと、もらった献上品やお土産を皆で分けて、旅行話で一晩中盛り上がりました。

 お土産の中には、いろいろな植物やその種もあり、中には薬の材料になるものもありました。

 びっくりしたのは、虫から生えている草で、薬の材料としてとても優れたものだそうです。

 これらは大学に送り、薬学の研究材料として研究させることにしました。


 数日たった夜のことです。今夜はミリアと一緒に寝る日です。ちなみに夜の管理はキャサリン姉さんが中心に4人で話し合って定められており、私に口を出す権利は全くありません。

 ミリアも二人の子供を産み、大人の女性になりましたが、体つきは会ったときと同じく、幼い体形のままでした。

 初めて会った時から数年がたって、お互いのことはよくわかるようになりました。夜の生活もお互いに円滑に進められるようになりました。

 いつものように仲よくした後、ミリアから話があった。「この前の東方世界の話は面白かったね。私も行「ってみたい」

 「私も行ってみたいけど、仕事がね。キャサリン姉さんが許してくれないし、難しいかもね」

 「そうよね、あなたはグランド王国の王であるとともに、ローマ連邦の大将軍格の地位を持ち、事実上のローマ連邦副皇帝だものね」ミリアは納得するような感じで言いました。

 「副皇帝というのは少し盛り過ぎだと思うよ。僕は単にロンの親友で義兄弟に過ぎないからね」


 「事実上そうなのよ。旦那様は自分の状況を理解していないのよね」ミリアはあきれたように言った。そして言いにくそうに言葉をつづけた。

 「実は旦那様に実はお願いがあるの」

 「なんだい」

 「私、大学に行きたい。今までいろいろな本を読んできたけど、もっと深いところを勉強したい」ミリアは切実にお願いしてきました。


 現在、妻たちはいろいろな仕事についています。

 キャサリン姉さんは連邦副宰相とスカイ・グランド連合王国の宰相となり、日々忙しく働いています。

 マリアンヌは貴族対応を中心に行っており、晩餐会や各種パーティ、お茶会など非公式の宮廷行事を司っています。

 余余二姫は、左真人対応です。左真人たちですが、人口も急増しており、新しい移民先を選定する必要がありました。

 左真人たちはあまり遠くに移住させると何をしでかすかわからないこともあり、またできればグランド人と接触しない土地が望ましいため、近くでグランド人のいない土地が望ましいわけです。

 現在一番の候補はフーシから割譲を受けた南大陸のカルタ地方です。この地域はフーシが交易拠点として活用していたため、港や道路は整備されており、フーシ人が多く住んでいて、フライやバルバドスから商売や交易を目的とした移住者もいますが、それ以外は手つかずになっています。そして、現在グランド人の移住は差し止めています。

 その土地を開発し、左真人たちの新たな移住地にするつもりです。

 すでに多くの魔法使いを送り、開発を進めています。左真人の志願者も送り込んで、開拓の鍬を振るわせています。

 余余二姫は、それの監督と左真人たちの移住の調整などで、いろいろ働いています。


 当然ミリアにも役割があります。なんといってもグランド人統治への対応です。

 グランド人は長年の迫害により、自分たちの民族以外はあまり信用しないところがあり、私の立場も族長のブルテン殿の婿としての地位により王として認めてもらっているような物でした。しかし、できれば一刻も早くミリアの子が王位を継いでほしいと、グランド人の土豪たちは思っているようです。

 今やグランド人はすでに世界中に散っており、その影響力は無視できず、その統治を円滑に行うことはローマ連邦の安全と発展のためには必要不可欠なことでした。

 ミリアには、父親のブルテン殿と姉のジェーンさんと協力して、円滑な統治をおこなうために、各種調整や連邦の施策の説明、有力な土豪たちの説得などを行ってもらっています。


 ただ、ミリアはもともと読書好きであり、前に大学に行ったことで学問への興味関心がわき、いろいろ悩んだ結果、私にお願いしてきたとのことです。

 「ブルテン殿とジェーンさんには聞いてみた?」

 「お父様は良いんじゃないかって言っていたわ。グランド人たちも旦那様の治世におおむね満足しているし、海外領土に移民して努力次第では大農園主になることもできるようになって、民族として初めて明るい未来が見えてきているそうよ。ジェーン姉さんもいいと言ってくれているわ」ミリアは言った。

 「ならば私が反対する理由はないな。で、ローマ大学に行くの?それともスカイ・グランド大学に行くの?」

 「私は歴史研究が好きだから、資料が豊富で、研究者も多いスカイ・グランド大学に行きたいわ」


 現在、大学のあるスカイ王国の首都コロンとグランド王国の首都パプル、ローマ連邦の首都ローマはお互いが転移陣でつながっており、多くの人が行き来するようになっていました。転移陣の維持はかなりの経費が掛かりますが、通行料収入と、つながったことによる経済効果で、国として莫大な利益が上がっています。

 それとは別に、国家要人用の転移陣も用意しており、政治・軍事関係や王族や上級貴族の利用に供するために利用しています。ミリアはこちらを使ってもらいましょう。

 あと、勉強が忙しくなった時のため、コロンの屋敷も整備しておくつもりです。

 ただ、ミリアも子どもたちのことが気がかりなので、必ず毎日帰ってくると言っていました。

 ちなみに子供たちは二人ともすくすく育っており、パルプの街にある王宮とブルテン殿の屋敷を行き来しながら育っています。

 他のグランド人の土豪の子たちと遊んだり、勉強したりと充実した毎日を送っています。

 「わかった。仕事の調整はするけれど、いろいろ忙しくなると思うよ。無理はしないでね」そう言って、私はミリアの頭を撫でました。

 「旦那様ありがとう」そう言って、抱き着いてきました。

 2回戦、始めました。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


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