↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
侯爵嫡男がモラトリアムで冒険に出たら、冒険譚のはずが戦争で戦って立身出世する話になってしまった件について  作者: 信礼智義
第5章 モラトリアム後α年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/134

閉話22 ミリアの人生と大学生活

明日も投稿します。お読みいただければ幸いです。

 私は、学校に行ったことがありません。読み書きも母から習っただけです。

 ある時、父が本というものを手に入れてきました。題名を「アント侯爵の冒険譚上巻」と言いました。

 「とても面白いと評判で、とても売れていた本だと行商人が薦めてきたので、試しに手に入れてきた。古本で安く買えたしな」と言っていました。

 私は父にその本を見せてほしいとお願いしたところ、「まあ、部屋の飾りのつもりで買ってきたから、好きに読みなさい」と言って許してくれました。

 私は時間があるとその本を繰り返し繰り返し読みました。

 内容は、ロマーンという国の土豪出身の男の子が二人、世界を冒険する話です。

 旅の話にハラハラドキドキし、主人公たちに迫る危機には心を痛め、解決して危険を脱するとほっとする、本を読んでいる時間、私は夢の世界にいるようでした。

 本を読み終わり、現実に戻ると私は軽い絶望感を味わいました。

 私はこのバルバドスという国の辺境に住む異民族のそれも次女です。

 おそらく一生この村から出ることはないでしょう。それどころか私の容姿は年の割に幼く、姉さまみたいな女らしい体とは違います。

 さらに人と話をするのが苦手で、この性格もあり男から声をかけらことはありません。

 姉さまはロバート兄さまという婚約者がいるにもかかわらず村の男たちから声をかけられるのに、私には誰も声をかけてきません。

 このままでは一生結婚もできないでしょう。

 姉さまは私から見ても美人です。胸も大きく、体つきも大人の女の人のようです。私とは全然違います。

 いつまでも帰ってこないロバートを待つのは、姉さまにとって良くないのではと思い、父も別の男と結婚を進めましたが姉さんは頑として応じません。

 私たちの部族の女は浅黒い肌に滑らかな肌、女らしいスタイルで大変美人が多いですが、男関係においては、これと決めたら頑固で絶対に曲げません。気に入った男をものにするためには強姦まがいのこともしかねないぐらいです。

 一応きまりとして既婚者は手を出してはいけないこととなっていますが、どうしても手に入れたい場合は自分の両親と相手の奥さんとその家族に了解をもらい、村の幹部に話を通してから、男に話をして、奥さんの協力をもらって契るそうです。

 男は一度契れば、基本結婚に応じますし、そうでなくとも村ぐるみで無理やり結婚させます。

 外国人の場合は基本その男と結婚したものと扱われ、他の男と結婚することはありません。その娘の両親の意向によっては、村でその男の居場所を探して男をさらってくることもあるそうです。

 さらわれた男は一生監禁され、その娘と添い遂げることになるそうです。


 姉さまが結婚しない場合、私が誰かを捕まえて結婚する必要があると思っていますが、こんな私に誰が求婚してくれるでしょうか。それを思うと、本当に気が重くなります。

 ある時、突然ロバート兄さまが返ってきました。

 ロバート兄さまはバードという肌の白い、金髪の男の人を連れて帰ってきました。

 今まで見たことのない外国の男の人で、恥ずかしくてお父様の後ろに隠れてしまいました。


 姉さまはロバート義兄さんが帰ってきたことをものすごく喜んで、早速男女の仲になったようです。

 私は、居間で本を読んでいました。

 「何読んでいるの?」突然声をかけられた。顔を上げるとそこにはバードが立っていました。

 私はオズオズと本の題名を読み上げました。

 「下巻は読んだ?」とバードは聞いてきました。

 本なんて高くて買えるものではありません。たまたま安売りしていた本をお父様が買ってきたから読めるのであって、そんなに何冊も買えるものではありません。

 「ううん、持っていないの」というと、貴重な本を私にくれました。

 そのあと、本の話をいろいろしました。

 そのうち、バートの故郷の話、旅の話などいろいろ話をしました。

 私はバードと仲良くなりました。

 その時、私の頭に神託?がおりました。

 この男をなんとしてでも自分のものにしろと。


 結婚式の祭りの日、私は勇気を絞って、バードをダンスに誘おうとしました。この村では、ダンスの誘いに乗ることは、付き合うことを意味します。

 なかなか声がでず、もじもじしていると、バードから誘ってくれました。一緒に踊っている間、私は夢見心地でした。私みたいな女と付き合ってくれる男がいたのだ。一生この時のことは忘れないと。

 好事魔多しということでしょうか。私のお気に入りの髪留めが落ちて壊れてしまいました。

 私はおろおろしてしまいました。その時です。バードがものすごく高価な髪飾りを私につけてくれました。

 今までの髪留めの1000倍以上値段のする物でしょう。貴重な貴石がふんだんに使われているうえ、金の地金を使っています。おそらく村で一番高価な髪留めだと思います。

 男性が女性に装身具を送るのは結婚の申し込みです。私は結婚を了承しました。


 さて、私は今夜バードと交わることになります。そうすることでこの婚約は確実なものとなります。まあ、バードは冒険者なので、どこかに行ってしまうでしょう。それでもロバート兄さまの親友ですし、捕まえる手立てはあります。

 私は、この村特産のカルナの汁をバードに飲ませました。

 バードはうつらうつらしてきたので、部屋に連れ帰りました。

 私はバードの服を脱がし、私の初めてをバードに捧げました。


 そのあとは、怒涛のように私の身の回りに変化が起きました。

 本も好きなだけ読める身分を手に入れ、社会的にも高い地位に上り詰めました。


 旅にも連れて行ってもらい、いろいろなものを見ることができました。そして色々な本を読みました。読めば読むほど私の知識欲は高くなっていきました。

 ついには学校に行って学びたいと考えるようになりました。

 私の学力レベルを図ると、大学へ行けるレベルの知識と能力があることが分かり、どうしても大学に行ってみたいと思うようになりました。

 旦那様にお願いして許可をもらうと、私は大学に通い始めました。ちょうど入学式に間に合うこととなったので、1年生からスタートです。ちなみに私がバードの第2夫人であることは秘密です。


 大学では、歴史学と宗教学を学ぶことにしました。歴史は大好きですし、宗教は旦那様がイム教の預言者扱いされているということで、そのあたりを学びたいと思い選びました。

 第1回目の授業の時です。一人の男が何人かの仲間とともに、私のところにやってきました。何事だろう?と思い、彼らを見ていると「何見てんだよ。このガキが。お前ここがどこだかわかっているのかよ」と言ってきました。

 「大学の歴史学の教室ですが」と答えると、「てめえ、俺を馬鹿にしているのか」と怒鳴ってきました。

 ここまで露骨な悪意は久しぶりです。グランド族の土豪と交渉する際、嫌味を言われることはありましたが、こうやって怒鳴られるのは、私たちがバルバドスの異民族としてバルバドス人達に罵倒されていた時代以来です。

 「私、あなたのことを知りませんし、初めてお会いしました。それで何か御用ですか?」

 「お前みたいな劣等人種が大学なんかに来ていいと思っているのか。さっさと国に帰れ」と言い放ちました。

 周りのグランド人たちが殺意を込めてこちらを見ています。私達グランド人のことを劣等人種というのは左真人かバルバドス人でしょうか。

 まあ、左真人というより、顔つきからするとバルバドス人のようですが。

 「あなたバルバドス人?国を滅ぼされた民がずいぶん偉そうですね。親に迷惑をかけないうちにさっさと席に戻った方がいいですよ。さもないと勘当程度じゃすまなくなりますよ」と忠告してあげた。

 すると、顔を真っ赤にして「お前俺が誰だか知っているのか。ローマ連邦の男爵家の3男なんだぞ。お前なんか父に言えばただじゃすまないぞ」と脅かしてきました。

 「別に言っても構いませんよ。後悔しなければ。まあ、このことは上に報告しますし、我々グランド人は連邦のあちこちにいますからね。あなたの両親の立場が相当悪くなると思いますが」そう言いました。

 その男は顔を真っ赤にして、「お前何様のつもりだ!」と叫びました。周りのグランド人たちが立ち上がり、我々を取り囲みました。手にはナイフを持ち、きっかけがあれば襲い掛かる寸前でした。

 それに気づいた男の取り巻きが、男に「おい、やばいぞ」と言いました。

 男はやっと周りの状況に気づき、かなりまずい状況だと気づいたのでしょう。

 「くそ、絶対に父上に言いつけてやるぞ」と言って、立ち去っていきました。


 翌日からその男の子たちは大学に来なくなりました。

 後で聞いた話ですが、私に因縁をつけてきた男の子たちは全員即日退学になり、親から勘当されたそうです。さらに男の子たちはその日の夜に失踪して、行方知れずになったそうです。

 ちなみにその子の両親が翌日大学にやって来て私に土下座してあやまりました。

 今後こういうことが無いように注意して許しました。

 両親たちは泣いて喜んでいました。


 後で旦那様に聞くと、薄笑いを浮かべて、「我が妻に悪意を持つ奴は容赦しない。本来なら家族もろとも皆殺しにするはずだったのだけど、ミリアが両親を許したので、とりあえず命は取らずに置いたよ。爵位は落としたけどね。いずれ挽回のチャンスは与えてあげるよ。男の子たち?ジェミニに処理をお願いしたからどうなったか知らない。まあ、ろくなことになっていないけどね」と言った。

 ジェミニさんに聞くと「ああ、首謀者以外はあっさり処理したわ。首謀者はまだ生きているけど、見たい?」と言って、ロバート義兄さんの膝の上で邪悪に微笑んでいました。


 見るのは怖いので、話だけ聞いたら吐いてしまいました。ジェミニさんは恐ろしいです。


 同じ授業を取っているグランド人たちにはお礼を言いました。彼らは、膝まづいて頭を下げ、「わが国の王妃にして将来の王母様、我らグランド人はあなたのためなら死を恐れません」と言ってきました。どうも私が誰だかばれているようです。


 最初はこのようにトラブルがありましたが、あとは順調です。毎日が楽しいです。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


 本当にお読みいただいてありがとうございます。

 70000PVまで行って、こんなことを言うと図々しいと我ながら思いますが、ひょっとしたら夢の100000PVまで行けるのではないだろうか、いや、そんなとんでもない欲をかいてはならないと心の中で葛藤しております。

 読んでくださる方には、本当に感謝です。今回は、全部で4話投稿しますが、また、もう少し続けたいと思っております。今回の台風騒動とそのあとの職場での騒動で全然執筆時間が取れず、予定の半分しか書けませんでした。10月の連休あたりには、もう4話投稿できればと思っています。

 あと、サムライも書ければと考えております。

 繰り返すようですが、本当に読者の皆様ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。