Aパート-002
「ごちそうさま!パパーっ、プレゼント見たいの」
朝ごはんを急いで食べて、パパにお父様からのプレゼントをねだる。
「はっはっはっ。瑠璃香は元気だなぁ、ちょっと待っているんだよ」
パパはすぐにプレゼントを持ってきてくれた。
手渡されたプレゼントの包みは可愛い包装紙に包まれた少し小さめの箱だった。
離れて暮らしているけど、お父様はルリカの好きなものを分かってくれてるんだ。
ちょっと胸がポカポカする。
「開けてごらん」
パパに促されて、私は包装紙を丁寧に開ける。
中に入っていた箱を開けると、中にはピンクのバンドの時計みたいなのが入っていた。
「これ何かな?」
パパに聞いてみる。
「瑠璃香、これはきっと魔法のスマートウォッチだね。瑠璃香も今日から9歳だから、魔法の修行が始まるんだ」
「そっか!修行のためのものなんだね!」
「でも、それだけじゃないと思うわ。着けてみたら?」
ママがウインクしながら言う。
私は手にスマートウォッチを着けてみた。
着けた途端、画面が光りステーショニア王国の紋章が表示された。
「……生体認証完了。プリンセス・ルリカと確認。起動します」
「すごーいっ!時計がしゃべったーっ!」
驚いている私に誰かが話しかけてくる。
「ルリカ様、こんにちは。王様と王妃様のメッセージをお預かりしているピョン。表示するピョン?」
気が付くと時計の上に半透明でピンク色の小さなウサギさんがふわふわと浮かんでいた。
耳にキラキラ光る赤いクリップが付いているのが可愛い。
「うわっ、これ最新式の通信デバイスだっピ。しかも妖精の補助機能付きの最高級品だっピよ」
私の肩に乗っかったモノが身を乗り出して、目を丸くして言った。
「……王女様がお使いになるのだから当然であろう」
椅子の背もたれにとまったクルトがたしなめる。
モノとクルトは先程の続きを始めそうな雰囲気だ。
私はそんな2人を放っておいて、時計に表示されたウサギさんにお願いする。
「表示して!おねがい」
「……かしこまりましたピョン」
ウサギさんがペコリとお辞儀をすると、空中にお父様の顔がアップで表示された。
「お誕生日おめでとう、ルリカ。今日でお前は9歳になる。これから魔法の修行を始めなくてはいけないよ」
「大変なこともたくさんあるだろう。だからそのデバイスを誕生日プレゼントとして贈ろう」
「この世界の夢を諦めた大人たちに、子供の頃初めて文房具で書いた夢を思い出させてあげなさい」
「色々なことがあると思うが、頑張るのだぞ!」
……久しぶりにお父様の声が聞けて嬉しいっ!お仕事が忙しいからなかなか会えないの。
そして、お父様の顔と入れ替わりに、今度はお母様の顔が表示された。
「お誕生日おめでとう、ルリカ。早いものでもう9歳になったのですね、会えないのが寂しいわ」
「お母様……」
「今日から人間界での修行が始まりますね、大変だけれど頑張りなさい」
「でもね、忘れてはいけませんよ。ステーショニアの王女たるもの、脱いだお洋服はちゃんと洗濯カゴに入れること。お部屋のお片付けも、クルトたちに任せきりにしてはダメですよ」
「うっ……」
思わず変な声が出ちゃった。お母様のいじわるっ!
「ほーら、言われたっピよ!さっきもボクにパジャマ投げたっピ!」
私の肩でモノが囃し立てる。
「王妃様の仰せの通りかと。身の回りの整理整頓も王女様の嗜みである」
クルトも目を閉じて頷いている
……もう、みんなで失礼しちゃう!
「ふふっ……そちらのパパとママの言うことをよく聞くのですよ。私はステーショニアであなたの活躍を見守っていますからね」
お母様の顔が空中に消えた。
「メッセージは以上だピョン」
ウサギさんがペコリと礼をした。
「ねぇねぇ、これって他に何ができるの?」
「このステーショニア・ウォッチでは、通信、占い、変身ができるピョン」
「変身!どうやって?」
「ステーショニア・ウォッチで変身を選ぶか、ワタシに変身したいと言えばできるピョン」
そうだっ!修行のためには魔法使いの服に変身しないとね!
(CM)
次はCMですが、興味のない方は飛ばしても問題ありません。
同時公開されているBパート−1をお読みください。




