第71話「四万十14℃の焚き火-ノラがバッ!まだ憂鬱ザアザア…5倍高級スジアオノリの香りフワアアと沈黙を完成させる約束パチパチモグモグ」
16:30 JST ノラは古民家の客間でがばっ!と起きた、ナナ、ここはどこ? — 頭はまだくらくら、彼はしばらく黙って前の出来事を思い出した、「四万十の沈黙、なんでジンサイ先生はあの技ができる?テッサイ先生が僕に教えた技なのに」
クラッ…グラッ…
17:30 JST 夕方。
ノラはもう眠れなかった、彼は縁側に一人で出て座った、足はぶらぶら、四万十川を眺めた、上からは青黒い透明なリボン、底の石が見える、太陽の光がゆっくり色を変えた。
キラ…キラ…オレンジの綺麗な反射が四万十川の表面に。
フウウウ…スウウウ…
18:30 JST 夜。
ジンサイ、「ロジャリ、ノラはまだ入って来ないのか?外の空気はかなり寒い。もう1時間川を眺めてぼんやりしてる」
ロジャリ、「彼に話しかけてみたが、彼からの反応はなかった」
フウウ…ジンサイはため息をつき家の外へ歩いた。外の方からジンサイは乾いた竹をいくつか持って来てノラの前にきちんと並べた。
サクッ…サクッ…カチャ…カチャ…
現代のライターの火を彼はつけた、ジンサイは小さな焚き火を作った。
チキッ!パチッ…パチッ…メラ…メラ…
コツッ…コツッ…ノラの足はぶらぶら、黒い尻尾は下がり、紫の瞳は焚き火の光をパチッ…パチッ…と反射した。
ジンサイはまた家の中へ入った、ノラはただ振り返り一言も口を出さなかった。
スタッ…スタッ…
縁側の前で、ジンサイは焚き火の近くに川石を並べ、12個の焼き餅をプクウウ…と少し焦げて膨らんだのを竹串に刺して並べた。香りが家の中へ入り始め、ミコは匂いをクンクン嗅いだ。
クンクン…プクウウ…
焚き火の上には2つの鉄のやかん、左はお茶で右は緑のスジアオノリを散らした味噌汁。
グツ…グツ…サリ…サリ…香りがフワアア…と上がり川のコケの匂いと混ざった。今やミコだけじゃなく、マオゼウも匂いをクンクン嗅いだ。
クンクン…
マオゼウ、「この匂いは何だミコ?」
ミコ、「ウンコ?違う、ウンコはこんなに美味しくない」
マオゼウ、「嗅いだ事のない匂い、外の方からみたいだ。行こうミコ調査しよう」彼らは2人で匂いの元へ出て行った。
トテ…トテ…
四万十川ザアア…ザアア…ラスト清流、水は青黒く透明、底の石が見える、薄い霧モク…モク…、赤黄色の紅葉の葉ヒラ…ヒラ…と落ち、細い三日月が鏡のように川の表面に反射した。
キラアアアン…
家の中では提灯の暖かい明かり、ホシ場海苔の空の竹の棚、ヨレヨレのセーターのジンサイは焼けた焼き餅を取り温かい味噌汁一杯をノラに渡し、そして網をシャッ…シャッ…と編みながら話を切り出した。
サクッ…シャッ…
「まだテッサイに会いたいのか?」ノラの恋しそうな顔色を読んだジンサイが言った。
その名前を聞いて途端に顔色が変わった、「ジンサイ先生…」しばらく静か「……」
シイイイン…
ジンサイ、「気楽に話そう、まだ温かいその餅と味噌汁を食べなさい」
「その餅と味噌汁を冷まさないでくれ、お前の後ろの何人かはもうよだれを垂らしてる」ミコ、マオゼウとスズカをからかって微笑みながらジンサイが言った。
ジュルッ…
「エヘエエエ…」彼ら3人の揃った声。
「君達は自分で餅と味噌汁を取っていい、遠慮するな」ジンサイが彼ら3人に言った。
「ヤッタ!」彼ら3人が言った。
ミコ、「スズカさん、僕は餅2本と味噌汁一杯欲しい」
マオゼウ、「僕も同じスズカ」
スズカ、「おいしあああああい!」温かい味噌汁一杯をすする時に彼女が言った。
ズズッ…ハアア…
ミコ、「そうだ、香りは海と川と湿った土の出会いのようだ」
マオゼウ、「知ってるか?その味は全部スジアオノリのおかげ、それがなきゃ君達のスープに独特な味はない」
アキオが混ざって来た、「君達はジンサイ先生にたくさん感謝しなきゃ、君達が食べてるのは高級海苔、普段君達が食べてる普通の海苔の5倍だ。スジアオノリはこの四万十にしかない」
マオゼウ、「食べたいと言えばいい、食べるのを許されたのは僕、ミコ、スズカとノラちゃんだけだ」アキオをからかう眼差し。
アキオ、「チッ!」
ロジャリとナナと他の皆も外の騒がしさを聞いて出て来た。
ガヤ…ガヤ…ザワ…ザワ…
「これはすごく賑やかだな?わあ味噌汁と焼き餅…先生、僕も試していい?」ロジャリが聞いた。
ジンサイ、「どうぞ遠慮するな。タカ、また中の餅とスジアオノリの在庫を取って来て、もっとたくさんこのお客さん達のためにまた作ってくれ」
タカ、「はい、父さん」
ナナは隅で黙ってまだ師匠のノラを心配している。
シュン…
チャアア…ハアア…モグ…モグ…ジンサイはまだプクウウ…と煙が出る焼き餅を取り、スジアオノリをカシャ…カシャ…と散らした。ハラ…香りが上がった、「さあ、温かいうちに楽しもう」ノラの弟子を誘って微笑むジンサイ。
フワアア…
ナナ、「ありがとうございますジンサイ先生」
「ノラちゃん、君の友達の顔を見て…いつまでその憂鬱な顔をずっと見せるつもりだ?友達は君の事をすごく心配してる」
「その悲しい顔でテッサイ先生は可哀想がって君と一緒に帰って来ると思う?」
「多分、力だけで…テッサイ先生は君をまた彼のもとへ戻る事を考えるだろう」
「さあ今夜はこの四万十にしかないスジアオノリを楽しもう。その餅と味噌汁一杯を冷まさないでくれ」
「明日は君のその四万十の沈黙を完成させるために始めよう」
ノラ、「美味い…」ノラの憂鬱な顔色は温かい笑顔に変わった。
ニコッ…
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