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別室に居て、治療を受けていたナガトをアリシアは見つけた。
一応大きな怪我は無いけれど、彼自身からもまた色々事情を聞かなくてはいけない。
「貴方、わりと馬鹿な人なんじゃないの?」
「いきなり会ってその発言は何だよ。大体、モニカがあんな事をするとは思っていなかったし。ていうか、ミーアがなんでここに居るんだ?」
アリシアの後ろにはミーアが居る。その少女の首には、僕につけられている首輪とそっくりなものがあった。
「ミーアは私の奴隷としてしばらく繋いでいることにしたから。問題は、どうしてモニカを貴方が面倒見切れなかったことかしらね。」
「面倒っていうか。あれは、モニカがミーアを殺しそうになっていたから。仕方なく彼女を助けようとしたんだ。」
「そう。まぁ、モニカ自身やりそうだけれど。でも助けた理由はなんなの?」
「理由って。人を助けて悪いのかよ。」
「悪いもなにも、ミーアだって元は私たちの敵でしょう?」
「敵だからって言っても。元々の原因は大罪武器の奪い合いなんだろ。」
「その大罪武器の殆どはモニカの手中にあるの。その能力を最大限に使えることは分かったけれど、その後は恐らくかなり危険な状態になるでしょうね。」
「えぇと。僕が悪いのか?」
「さぁ。そもそも、モニカ自身が感情のコントロールを失ったのが原因だし。第一、あそこまで派手なことをすればモニカ自身も危ないでしょうね。」
「協会はモニカをどうするつもりなんだ?」
「最悪の場合、モニカの討伐が下されるわね。」
「そんな・・。」
「貴方だって、ミーアの事を殺されたくは無かったんでしょう?そもそもどっちの味方をしたいのよ貴方は。」
「この世界の人間は本当に血生臭いな・・。」
「悪かったわね。」
今のところはまた休んだ方がよさそうだけれど。まるで僕がミーアを助けようとしたことが原因みたいになっている。
「あの、別にナガトは悪くは無いと思うけれど。大体、あのモニカ自身よく分からない子なんだから。」
「貴方は結局、教団からスカウトされただけで。他に何かモニカの事は知らないのよね。」
「うん。普通の女の子が魔改造された子だって聞いた。」
「魔改造って・・。まぁ、確かにあれは異常だけれど。極東行きはキャンセルということになったから。ナガトも休んでいていいわ。」
「え?」
「協会側の予定が大きく狂わされたから。今現在、ある程度人員を集めてモニカを拿捕しようとしているの。あそこまで危険な事をすれば、誰だってほうっておけないでしょう?」
「・・・まぁ、そうだけど。」
どこか変な不安を覚えたが、今はアリシアの言う通り休んだ方がいいのかもしれない。




