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「でも、この世界でも宗教とかはあるんだな。」
「貴方が居た世界では、魔法とかは無いんでしょう?なら、想像しようがないんじゃないの?」
「ん?いや、別に魔法は使えないけど魔法という概念はあるよ。」
「つまり、想像上でしか考えられない魔法があるっていうこと?」
「といっても、冷静に考えれば昔はアリシアやエクレールみたいに派手な魔法演出は無かったけどね。」
「どういうこと?」
魔法といっても、その演出自体はかなりバラバラと言っていい。
呪術、妖術、神通力、陰陽術、魔術等、言い方は全て違うが基本的には全てオカルトである。
超能力もそうだが、演出自体はスプーンを曲げるというかなり微妙な行為が多い。
いっその事人間の首や胴体をねじ切ってほしいが、そんな行為は出来たとしてもやる奴はいないと思うが。
ただ、その微妙な演出だった魔法は僕の世代になれば過剰演出が入ってより魔法らしくなっている。
かなり昔は剣が多少光れば受けていたが、今ではその程度で人は魅了されない。
より過剰演出が求められるようになった魔法だが、実際のところそんな力は本来持っていないはずなのだが。
「人間の想像力って、かなりいい加減だよな。」
「ナガトが何を言いたいのか分からないけど、そのいい加減な想像力は貴方たちの得意分野なのかしら。」
貴方たち、とはつまり僕と僕の世界に居る人間の事だろう。
確かに、想像力だけずば抜けている人は割と結構いるけれど。
冷静に考えたら、何で想像力だけやたら豊富な人が居るのか理解しにくい。
それこそ、自分にとって役に立たない道具なのだが。
「エクレールだって、何をしているのか聞いたら夢を見ているんですって言ってたけど。あれはこの世界では普通なのか?」
「・・・・・エクレールが何を夢みているのかは知らないけど、彼女はどちらかというと暴走しているだけだから。気にしなくていいわ。」
一体どうして暴走しているのかは聞かない方がいいけれど、しかしあそこまで変な事をされると知りたくなってしまう。
「でも、冷静に考えたら結局は魔法自体チートなんだよな。」
無能力者からしてみれば、魔法使いはその特殊能力でより安全な暮らしが出来ている。
魔法を使えない人間は魔物に対抗できないために、村に襲い掛かって来た魔物からは逃げなければいけない。
しかし、魔法使いは彼らと違い絶対的な権力すら持てるのだ。どんなに頭が良くて体が発達していても、魔法や魔物という理不尽な暴力にさらされることがあるのなら。
「チート?」
「えっとさ。この世界の無能力者って、基本的には魔法使いの事を嫌ってるのか?」
「半分くらいは、ね。でも表には出さないから。魔法使いによって疾病を取り除かれた人間もまた何十万も居るのだから、そう簡単に彼らを排除できないの。まぁ、たまに疾病の原因を魔女にすり替える人もいるけれど、その人はより酷い復讐に遭う事があるから。」
目には目を、歯には歯を。そんな理屈で魔女が本当に持っている魔法の力を行使すれば、所詮力の無い嘘つきはすぐに抹殺できる。
「モニカみたいな例もあるし、きっとその魔女も凄いんだろうな。」
「貴方、かなり失礼なこと言わなかった?」
「いや、だって魔女だろ?」
「ふぅん?まぁいいけど、そんな事を言っていると後で無一文になるわよ。無能力者は基本的に、プライベートなんて存在しないから。」
「何だそれ。もしかしてそういう国家なのか?」
「何言ってるの?魔法で透視なり盗聴できるでしょう。つまり、魔法使いの中にそういうはしたない悪だくみばかりする人がいるから、貴方も気を付けた方がいいわ。そうやって悪い方向に無能力者を貶める人は結構居て、悪い事があれば即座に魔女によって制裁がなされる事があるもの。ベルウッドとかかなり昔はそんな感じだったらしいし。」
ベルウッド、前に僕とアリシアが居た場所だけれど。あの村は昔はどんな感じだったのだろうか。




